【佐川急便の優秀なセールスドライバーが退職して転職する本当の理由】アマゾンの宅配荷物が未配達だらけ

今から12~13年前(平成23年)、佐川急便でアマゾンの配達をしていた頃、年末に突入する前の大事な時期に宅配業者がバタバタと辞めた。

「委託の単価を下げろ」という本社からの指示で仕事の内容に不満がある宅配業者は繁忙期直前に嫌がらせをするように(満を持して)辞めてしまう。

11月10日を過ぎた頃から(繁忙期どころか平常月)あちらこちらの地域で未配達の荷物だらけになってしまった。

H市担当Yドライバー、「係長、まだ11月の前半ですよ…昨日、40個未配、今日は100近くになりそうです…」

岡本、「…そうだよな」

ドライバーは自分が担当しているコースの荷物を配達出来なくて帰社することは屈辱的なことだ。

自分が任された(今となっては押し付けられた、という表現が正しい気がする)荷物を食事もしないで配達している。

私も配達に集中したいときはラジオを消して真夏のクソ暑い日に水を飲むのも忘れて配達することが度々あった。

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アマゾンの宅配が出来なくて佐川急便を退社するドライバーが続出

「アマゾンの宅配が出来なくて」と、書いたが20~30個というレベルの話ではない。

アマゾンの宅配だけで日々、100個、配達しなければならないコースもある。

2トン車に乗って配達300個、そのうち宅配120個、集荷もする。

終わるわけがない。

アマゾンの荷物を集荷する営業店は、配達をする営業店の状況なんてお構いなしに集荷する。

配達をするドライバーは毎日が地獄のようだ。

2トン車に1年以上乗っているドライバーは配達のエキスパートだ。

(仕事が出来ないドライバーは仲間から認められなくて自然と淘汰された。押し付けられる仕事が出来るようになるか、辞めるかの2択しかない。)

そんな配達のエキスパートが50個、100個と未配達をするのだから当時の佐川急便がどれだけドライバーに負荷を掛けていたかわかるだろう。

アマゾンの宅配で配達が嫌になりヤマト運輸やバス会社に転職したドライバーを何人も知っている。

そして、大半のドライバーが佐川急便を恨んで辞めている。

H市担当Mドライバー、「岡本さん、佐川辞めることにしたんですよ」

岡本、「…そうか…何するの?」

H市担当Mドライバー、「バスやろうかと思って…免許取得の助成もしてくれるし…」

佐川急便は優秀なドライバーを多く失った。

Aドライバー、(帰社してからの会話)「いや~、今日は宅配100あったよ!でも、21時には終わったけどね」

岡本、「マジで?凄いな、俺100あったら終わらないよ」

Aドライバー、「(心の中)ふふん。まーな、俺は仕事出来るから…」

ドライバーは自分が任された(今となっては押し付けられた、という表現が正しい気がする)荷物を配達出来ないで帰社することが自分の価値?を落とすと思っていた。

委託業者みたいに1個配達すればいくらになる、という考えではなく、自分の能力がどれだけ通用するのか?他のドライバーに負ける訳にはいかない、そんな価値観で仕事をしていた。

私も入社して5年くらいは先輩ドライバーに自分の仕事を認められたい、それだけを考えて仕事をしていた。

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営業係長が得意先に水増し請求をしてドライバーに降格

H市が11月の繁忙期前だというのに未配達の荷物だらけになったのにはもう一つ理由がある。

H市の集配能力に長けた営業係長が降格になってH市を離れてしまった。

参考記事はコチラ➔ 【佐川急便本社の営業本部長が取引先企業に謝罪】営業係長が得意先に1000万円の水増し請求発覚check

話すと面倒臭い係長だったが、係をまとめる能力と集配能力には長けていた。

指揮官を失ったH市は出勤すれば地獄という状態が2ヶ月続くことになる。

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年末の最繁忙期には店長、課長も配達

H市がこんな状況だったから私の係も繁忙期が例年より早く訪れた。

11月中旬から係長以上の管理職は休日返上でサービス出勤。

12月になると課長、店長も総動員で配達に出る始末。

営業所は荷物で溢れ、いつもは決まった時間に到着する大型車は何時に来るかわからないので、

その荷捌き要員として係長以上がスタンバイする。

本来なら体と心を休めるための休日なのに筋トレの休日になってしまう。

私の仕事は、朝から昼まで宅配。帰ったら2つの市のドッキング。

大型に満載で1000個。

宅配もする路線ドライバーのような心境だったが、頭がトランス状態になっているので突っ走るしかない。

しかも路線の延着でドッキング時間が17時~18時という平成初期のような有り様だった。

ドッキングで荷物を2トン車に渡しても

H市担当Yドライバー、「19時に100個渡されても…ほとんど未配だよな」

未配の荷物が翌日、上乗せされる。

30個の未配が、翌日、50個、翌日、100個、翌日、150個、200個、300個…

もう、頑張れ、なんて言える状況ではない。

12月31日の朝、宅配管理のW係長との会話

岡本、「やっと終わりましたね」

W係長、「ああ、やっと終わったな」

この時の一仕事終えた充実感を今でも覚えている。

この年(平成23年)が終わって、翌年にドライバーが何人も辞めた。

優秀なドライバーが何人も辞めた。

佐川急便が取り扱っていたアマゾンの宅配荷物は、ドライバーの人生をも左右した。

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