【昔の佐川急便は給料が高くて稼げた理由①「出勤～出発」】

今回の話は、昔の佐川急便のドライバーが何故？給料が高くて稼げたのか？という理由を深堀します。

以前の記事の拡大版になります。

関連記事【佐川急便の過酷なバブル期の仕事】繁忙期を乗り越えなければ先輩に認めてもらえない　セールスドライバー激闘編➂

2020.12.27

私が佐川急便に入社した平成６年は昭和のバブルが弾けて数年で、

日本は今みたいな慢性的な不景気ではなく企業は活力があり

日本の企業は世界のリーリングカンパニー、と言われていた雰囲気が漂っていました。

佐川急便で発送する荷物も１個１５００円の荷物を１００個、なんて事も少なくありませんでした。

この頃から数年で企業は経費削減、という風潮が次第に強まって、

いかに経費を抑えるか？という考えにシフトしていきます。

私が佐川急便に入社した頃はセールスドライバー、という言葉は無くドライバーは営業して当たり前

Ｕ店長、「お前ら、配達だけして稼げると思うなよ。ドライバーはコースを任されている経営者（社長）だという事を肝に銘じておけ」

このような有難い訓示は何度となく聞かされました。

昔の佐川急便の繁忙期は出勤してトラックに荷物を積みこむことから始まります。

佐川急便の給料は高い、という噂は納得できた

この頃の私は一人暮らしをしていて

朝寝坊する事が怖かったので目覚まし（時計）を３個使い

部屋の電気、テレビを点けっぱなしにしてソファーで寝ていた。

朝起きると

岡本、「は～、（心の中）また長い１日が始まるのか」

と、ため息が出て憂鬱な気持ちで車を運転する。

朝６時頃出勤していたが、個人差があり５時３０分頃から出勤している先輩もいた。

この頃の佐川急便には出勤時間や退勤時間という概念が無く

時間を管理する機械のようなものはあったが、打刻するだけで意味はなかった。

早く出勤をして荷物を整理してトラックに積み込みをする➔　気合いの入っているドライバー

遅くまで会社に残って翌日の段取りをしている➔　気合いの入っているドライバー

という考えが佐川急便だったが

入社した頃は先輩は皆がそうだったので新人で入社した私も当然そういう考えになった。

（心の中）佐川急便が初任給５０万円という高い給料で稼げる理由も納得出来るな。

トラックへの荷物の積み込みは闘い

昔の佐川急便はトラックに荷物を積みこむのも大変な作業だった。

出勤して荷物を積みこもうとすると

岡本、「（心の中）荷物がほとんどない」

荷物が無い理由は、「延着（荷物を積んだ大型トラックが延着する事）」が理由で

前日、ドライバーが集荷をした荷物を積んだ大型トラックが各店を出発するのが

２３時頃、遅くなると日付を回って２時頃に出発する事もあった。

だから、関東の荷物ですら朝営業所に届かない、なんて事は日常茶飯事だった。

そして、こういう悪い流れが日に日に増幅していく。

だから、朝出勤すると

ベルトコンベアーで流れてきた荷物をスパン（空いているスペース）に積む作業から始まる。

昔の佐川急便は、配送課が一つの市に１人～２人くらいしか居なかった。

ベルトコンベアーは高速で時速３０キロ～４０キロくらい出ている。

だから、重さが１００キロを超えるような荷物や１５０サイズくらいの荷物が２００個流れてくるとスパンに引くことが出来ない。

引き漏れるとベルトコンベアーの流下にいる怖い先輩から喝がある。

〇市の怖いＭ大先輩、「おい、〇〇、てめ～何で引き漏れてんだよ。おめ～が引き漏れた荷物取りに来い」

こんな調子だから喧嘩は日常茶飯事で

毎日、何処かの市で喧嘩が起きていた。

荷物を積んで２トントラックが出発するのは１０時過ぎ

佐川急便の制服は青の縞シャツと長ズボン。

青の縞シャツは真冬で雪が降ろうと例外なく半袖だった。

新人が長袖なんて着ていたら先輩から「気合が入っていない」の烙印を押され、そんな新人は生き残れなかった。

それに半袖でも全く苦にならない。

高速のベルトコンベアーで流れてくる多種多様な荷物を全力で引き

３００個前後の荷物を自分の２トントラックに積む。

２人１組でトラックを差し替えて積んでいるから自分と相方の荷物だけで６００個前後

昔の佐川急便は自分の事だけやっていれば良い、という訳ではなく

自分と相方の荷物が一段落したら班、係の積み込みを手伝う。

朝の積み込みが一段落する１０時頃まで１０００個以上の荷物を仕分けている。

そして、朝到着する荷物が一段落、する事はない。

１０時過ぎに店を出発する時も何台もの大型トラックが荷物を降ろす待機待ちで長蛇の列を成している。

積み込みを終えて店を出発する時、

岡本、「（心の中）今日も地獄の１日が始まるな」

こんな仕事だから真冬に半袖でも大汗をかいて仕事をしている。

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