ヤマト運輸のクリスマスシーズンはドライバー、ベース、そして営業所、どこも忙しい時期だ。クリスマスが終わったら年末が控えている。
運送業界だけではなく、どの業界も年の瀬の忙しいシーズンだが、クリスマスはヤマト運輸にとってはクレームが増える時期でもある。
クリスマスは消費者にとっては特別なシーズンだから、お客様は様々なことを考える。そして思うようにいかなければクレームになってしまう。
クリスマスシーズンのクレームはコチラの記事も参考になります。➔ 【クリスマスにサプライズプレゼント】「ヤマト運輸で発送した時間指定の荷物が届かない!」というクレームcheck
決して理不尽なクレームでもなく、クレームを受けるヤマト運輸としても理解できるものも多い。
クリスマスといえばプレゼントだが、そのプレゼントを宅配便で送る人も多い。
「直接渡せばいいのに」と思うかもしれないが、遠方に住んでいたり、あるいはネット通販で購入して相手に送ったり、クリスマスプレゼントの渡し方も多様化している。
送り主にとってクリスマスプレゼントは「プレゼント(贈り物)」であって、「荷物」とは考えていない。
送り先が自分宛ての宅配便であれば中身さえ無事であれば、よほど箱がボコボコになっていない限り、特に気にしないという人も多い。
しかしクリスマスプレゼントともなれば、「箱も含めて」プレゼントという認識だ。
ヤマト運輸の最繁忙期はクリスマス
「中身さえ無事ならそれで良い」というものではなく、箱のデザインや包装も含めて「プレゼント」だ。箱や包装に少しでも傷が付いていれば当然クレームの対象になる。
運送業界では、こういう箱入りプレゼントをビニールに包んだり、箱を二重にしたりするなどの対応をしている。
しかし、そのままの状態で送ろうとする人もいる。その結果、包装が破れたり、あるいは箱が多少潰れてしまうことがある。こういう荷物がクレームになる。
ネット通販でクリスマスプレゼントを購入する人もいる。クリスマスが終われば年末が控えている。年末年始に過ごす故郷へ荷物を送ったりする人もいる。
道路も混雑し荷物も増える。運送業界にとってクリスマス、年末はまさに鬼門だ。そのため、どこの営業所やベースでも荷物が溢れかえっている。
毎年このシーズンになれば荷物が多くなりベース、営業所は荷物で一杯になり、その結果、破損も増える。
更に悪いことに、クリスマスシーズンはベースや営業所のアルバイトの出勤率が悪くなる。
学生のバイトにすれば遊びたいのもよく分かるし、副業で来ている人もクリスマスくらいはまっすぐに帰宅したいだろう。
そのため、昼間のパートさんに夜まで残業してもらわなくてはならないことになる。
人が少なくなれば作業にも支障をきたす。ましてや荷物が増えているにも係わらず人手が足りなければ、作業はどうしても雑になる。
溢れる荷物を前に、一生懸命頑張ろうと思えば思う程、「早くやらなければ」という気持ちから荷物を雑に扱ってしまったりする。
運送会社の肩を持つわけではないが、通常月(繁忙期以外の)荷物が破損する確率は、数万個に1個だと聞いたことがある。
繁忙期でも確率が極端に下がるわけではないし、私が佐川急便在籍中の話だから現在の数値はもっと良くなっていると思う。
クリスマス、年末の繁忙期は荷物を送るのを避けるべきでは?
全てのベースがとは言わないが、クリスマスシーズンだけ時給を高く設定し、アルバイトの人手を集めるという手法を昔はよく使っていた。
しかし、いつの間にか「人件費カット」の名目で、そういったことも無くなってしまった。
クリスマスだからといっても特に時給に変わりがないのであれば、忙しいのが分かっている日に出勤したくないと考えるのが普通だろう。
また、そもそも時給の金額に関係なくクリスマスに用事があるので出勤できないアルバイトにとって、クリスマスの日の時給などどうでもよいのかもしれない。
クリスマスに寄せられるクレームは、普段のような「揚げ足取り」ではなく、「子供のための荷物だったのに」という悲痛なものが多い。
クリスマスは年に一度だからこそ特別な日だ。
その特別な日に荷物を送ってもらったのに、箱や包装紙が破損していたらクレームを入れたくなるのも無理はない。
そもそも年末の繁忙期はどの運送会社も自社のキャパシティを超えた仕事をこなさなければならない。
いくら忙しいからといって運送会社はコストが掛かる業界(車両費、燃料費、保険、人件費、などなど)なので年末の繁忙期を前提に設備投資するような余裕はない。
そうなると人手を増やすしかないのだが、その「人手」が集まらない。
結局、毎年のようにクリスマスの繁忙期は、「荷物が増えて大変なので、クレームが発生したらとりあえず謝るしかない」ということになってしまう。
一度でもヤマト運輸や佐川急便で仕分けのアルバイトをしたことがあれば、「クリスマスや年末の繁忙期に荷物を送るのは止めた方が良い」と思うのではないだろうか?
佐川急便が2019年、年始の一部営業に制限をしたように毎年繰り返される年末のドタバタ劇は、物流業界も消費者側も見直す時期に来ているように思う。
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