ヤマトの仕分け現場から上層部に寄せられるクレームもある

ヤマトには多くのクレームが寄せられるが、ヤマトの内部、特に仕分け作業が行われているベースへのクレームはとても多い。

 

責任者たちの仕事の意欲が低いことに起因しているこの問題だが、実は仕分け作業の現場から上層部にクレームが寄せられることも珍しくはない。

 

これまで仕分け現場に多くのクレームが寄せられるとお伝えしたが、仕分け現場からのクレームに耳を傾けると、多少は同情すべき面があるのも事実だろう。

 

最も多いのは「人件費」

最も多いのは人件費に関してだ。

 

ヤマトの仕分け作業は基本的には誰でもできる簡単な作業だ。

 

その中でも一応クール担当、メール便担当、仕分け作業担当などある程度はグループが分担されている。

 

だが、上層部、もっと具体的に言えば主管支店が見ているのはあくまでも「人件費」だ。

 

そのため、上層部は少しでも早く終わらせることを要求している。

 

それもそのはず、一日に数百人とバイトをしているのだ。

 

10分でも早く終わらせれば、それだけでもかなりの額の人件費の圧縮が可能になる

 

そのため、上層部はとにかく「早く」を要求する。

 

そんな声に応えるために、仕分け作業の現場ではデパートの荷物とタイヤのホイールを同時に流し、デパートの荷物がタイヤの下敷きに…となり、様々な所からクレームが寄せられる。

 

しかし、これもいわば「早く終わらせるため」なのだ。

 

その点では、仕分け作業の社員たちも必死なのだ。

 

人員はあくまでも「人数」だけ

また、月末となると大抵人件費が想定外に高くなると問題になるので人を絞る。

 

足りていないものの、アルバイトには休んでもらうことも珍しくない。

 

しかしこれが問題。

 

なぜなら、上層部はあくまでも「頭数」しか計算していない。

 

一日に雇えるアルバイトの数を算出し、その数まで削減する。

 

そして人件費を抑える。

 

そのため、先にお伝えしたようなグループ分けのことなどあまり考えていない。

 

クールのアルバイトが極端に少なかったり、メールの仕分け作業のバイトがいないといったことも珍しくない。

 

その場合、結局はいつもは一般宅配の仕分けを担当しているバイトがクールやメールを担当することになる。

 

慣れていないのでミスも出るだろう。

 

そのミスが他からクレームを受けることにもなるなど、人件費を抑えたいがために行っていることが「悪循環」を生んでいる。

ヤマトのヒエラルキーとして、ベースは「一番下」

なぜこのような問題が起きているのかといえば、言葉は悪いが仕分け作業が行われている「ベース」の存在が、いわばヤマトでは「一番下」だからだ。

 

もっと分かりやすく言えば、ベースに降格させられることはあっても、ベースからステップアップすることは、基本的には考えられない。

 

事故を起こしたドライバーがベースに「島流し」になることはあっても、ベースでどれだけ一生懸命働いたとしても、上の部署に昇進するということは、実はなかなかないのだ。

 

ベース長ともなれば話は別だが、一般社員はベースからキャリアアップすることは考えられない。

 

そのような環境にあれば、当然だがベースの作業員たちがやる気を出すことなど有り得ないだろう。

 

仮に誤仕分けや終了時間に於いて優秀な数字を出したとしても、何も変わらない。

 

昇進するのはベース長であって、作業員ではない。

 

結果、ベースの作業員たちは次第にモチベーションを低下させる。

 

「何をしても同じだから」

 

と。

誰でもできる作業であるのも事実だが…

確かにベース作業は特別なスキルは必要ない。

 

さらにはお客と接する訳でもない以上、愛想も必要ない。

 

文字通り、「誰でもできる」仕事なのだ。

 

上層部としてもそのようなことはよく分かっているからこそ、「代わりは他にいくらでもいる」との考えがある。

 

そして、そんな上層部の冷たい考えは現場作業員も良く分かっている。

 

だからこそ、「頑張っても意味がない」との考えに至るのも分からない話ではない。

 

だが、ベース作業は宅配業の根幹を支えていると言っても過言ではない。

 

もしもだが、ベース作業でミスが頻発することになれば、時間指定はおろか日付の指定さえできなくなるだろう。

 

待遇改善しろとまでは言わないが…

ベース作業が決して難しい仕事ではないのは事実だが、その一方で、ベース作業がなければ宅配業が成り立たないのも事実だ。

 

上層部は、少しでも良いのでベース作業の現実を見るべきだろう。

 

「抜本的な解決が必要だ」などと大げさなことを言うつもりはないが、ベース作業で何が起きているのかくらいは把握しておくべきだろう。

 

これはベース作業だけの話ではない。

 

ヤマトの上層部は基本的に「出てきた数字」しかみない。

 

なぜその数字になったのか、プロセスの部分にこそ問題の本質が隠されているのだが、表面上の数字しか見ないからこそ、頓珍漢な解決策を提案し、そのしわ寄せが現場にくるのだ。

 

ベース作業の人間から本社に登用しろとまでは言わないが、せめて定期的にベースや営業所などを見学し、自分たちの仕事の「最前線」がどのようなものなのかくらいは把握しておくべきだろう。

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