【佐川急便先輩社員の教え】北斗百裂拳!「配達?朝飯前」セールスドライバー誕生編⑤

私は、伝票を組むことが全く出来なかった。

当時、コピー機や専用の伝票発行機から印刷されて出てくるタイプの伝票はなく、封入の横長タイプの伝票だった。

今みたいにコースに1台、専用の端末があって、「持ち出し」のボタンを押してバーコードをスキャンすると、誰が何時にその荷物をスキャンしたかがわかる、というPDTと呼ばれるものはない。

当時、端末でバーコードをスキャンするのは、荷下ろし場で大型トラックから荷物を下ろす時だけだった。

だから、荷物の行方不明は日常茶飯事だったし、まだ携帯電話もない時代だったからドライバーへの連絡手段は、電話と無線とポケベルだった。

営業店での顧客対応をする部署として名付けられた、「カスタマーサービス課」なんて言葉もなく、ドライバーは、営業店に無線で連絡をする時は、本部と言っていた。

本部責任者S氏、「113号車どうぞー」

岡本、「はい、どうぞー」

本部責任者S氏、「出荷人が〇△工業所で、〇✕製作所の荷物ありますか?」

岡本、「ないですよ」

本部責任者S氏、「了解!」

1時間後・・・

岡本、「本部、Sさんどうぞー」

本部責任者S氏、「どうぞー」

岡本、「すいません、さっきの荷物ありました」

本部責任者S氏、「お前な~、了解!」

こんな調子だから、無線で喧嘩なんてことはしょっちゅうあったし、丸1日、ドライバーが音信不通なんて事もあった。

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配達する順番に伝票組むのは、難しい!

当時、朝便(朝、ドライバーが出発するまでに到着した荷物)の配達件数、個数で平均80件、220個の荷物から伝票をすべてとり、出発するまでに伝票を配達する順番に組んでいく。

K大先輩から伝票の組み方を教わって、220枚ある伝票を順番通り組もうとするが、運送会社で働いた経験もなく、地図の見方もさっぱりわからなかった私にとって、K大先輩から何度、説明されても理解できなかった。

朝の荷物の積み込みが終わって・・・

K大先輩、「岡本~、伝票組んどけよ~」

岡本、「はい・・・・・・」

15分後・・・

K大先輩、「伝票、組めたか?」

岡本、「すいません・・・・・・」

K大先輩、「お前、俺の教えた通りのやり方でやってるか? いっぺんに組もうとするんじゃなくて、コースを6つに分けろって言っただろ?! ず~っと同じことの繰り返しだろ?! 俺が伝票組むから、お前見てろ!」

1か月近くこんな調子だった。

7月の蒸し暑い荷物を積み込むホームで、意識がもうろうとなりながら、伝票に汗がボタボタ落ちても伝票を組む。

東大和市の立野を3つに分けて、中央も3つに分けて、前半、中盤、後半の6つに分ける。

佐川急便の先輩社員の声は、神の声!

K大先輩が伝票を分けると、まるで北斗百裂拳のごとく伝票を分けていく。

K大先輩、「あたたたた・・・ おぅわったぁ!!」と、言いながら伝票を分けているように感じた。

私は、K大先輩の伝票を分けるあまりの速さと、暑さに気を失いそうになりながら分ける。

岡本、「1件目が、〇✕化学工業、2件目が、〇△自動車、3件目が、・・・・・・」

K大先輩、「1件目は、◇工業があるから◇工業からいくぞ!」

岡本、「はい?!・・・、◇工業???、1件目が、変わることなんてあるんですか?」

K大先輩、「当たり前だろ!」

岡本、「???、はい?」

岡本、「(心の中)こんなこと、俺に一生掛かっても出来るのか???」

と、正直思った。

K大先輩、「ほれ、伝票組んだぞ! もう8時半だぞ! 行くぞ!」

K大先輩、「周り見てみろ! みんな出発しているだろ!」

K大先輩、「岡本! 佐川急便の仕事は、配達なんて朝飯前でやらなきゃ務まらないぞ!」

岡本、「はい! (心の中)確かにホームが閑散としてきている。」

今日もまた暑い、熱い配達の1日が始まる。

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