2008年の10月から佐川急便の営業係長を3年勤めていた。
何度も書いているが、当時アマゾンの配達を佐川急便がしていた。
未配達、時間帯不履行、紛失などのクレームは日常茶飯事だった。
ドライバーはアマゾンの配達をする負担が仕事量の8割を占めているのではないか?と思うほど朝、営業所を出庫すればアマゾンの未配達荷物の対応に追われ
夜も22時00分過ぎまで配達をする、という仕事を連日こなしていた。
当然、昼食を摂る時間もなく、心は疲弊して
アマゾンに限らず様々なお客様からのクレームも多くなり営業の管理職は自分のスキルを駆使してクレーム対応をしていた。
クレーム対応が長期化しそうなお客様への対応の仕方
クレーム対応で3回土下座をしたことがある。
時にはドライバーのミスで
時には自分のミスで土下座をしたこともある。
土下座をした時の思い出?を10年経った今でも鮮明に覚えている。
クレーム対応で土下座をしたお客様は、クレーム➔ 謝罪に行く➔ 1回目のクレーム対応で土下座
ということは、あり得ない。
3回目くらいに謝罪に行くときに
岡本、「(心の中)このお客さん、今回で終わりにさせないとな…」
一人のお客様へのクレーム対応が長引いてはいけない。
3回くらいが限度だろう。
初めて謝罪に行ったときにクレーム対応が長期化する、と思ったお客様に対しては
初回の謝罪では、誠意を込めて謝罪をする。(余計な事、反論と思われる事は絶対に言わない)
2回目の謝罪では、お客様が何を要求(誠意なのか?金銭なのか?)しているのか?を把握して
3回目に条件(佐川急便もリスクを負いますのでお怒りをお納め下さい、という条件)を提示してフィニッシュ
という段取りで事を進めないと
クレーマーお客さん、「(心の中)こいつ謝ってばかりで何の条件も提示出来ないところを見ると…肩書きばかりの出来損ないを佐川急便は寄越したな」
クレーマーお客さん、「(心の中)あー、わかったよ。本社にクレームを入れてやるからな」
と思われてしまう。
折角の努力が水の泡になってしまう。
事態を収集出来なければ最終手段は土下座
2回目の謝罪でお客様が何を要求しているのか?を把握して、3回目に条件を提示する。
普通は、また来い(4回目)ということはないが、稀に駄々をこねるお客様がいる。
お客様が望むなら4回でも5回でも足を運ぶことは可能だが
管理職といえども当時の営業係長は、コースで稼働することは当たり前で、解決しなければ未解決のクレーム案件ばかりになってしまう。
そんなときに伝家の宝刀「土下座」を抜く時がある。
土下座は最終奥義なので、抜くタイミング、やり方、謝罪をする相手を間違えると
クレーマーお客さん、「(心の中)こいつ大丈夫か?」と不信感を与えてしまう。
そして、個人のお客様(特に女性)には伝家の宝刀は封印した方が良い。
動画を取られて拡散されたり、過剰な謝罪になってクレーマーお客さんを追い込む事になると
クレーマーお客さん、「(心の中)何か変な人が謝罪に来たから本社に電話した方が良さそうね」
という事になり努力が水の泡になってしまう。
しかし、最終奥義の「土下座」は事態を急変させる効果もある。
3回目の謝罪でも怒りが収まらないお客様が伝家の宝刀を抜いた途端
クレーマーお客さん、「佐川さん、そこまですることはないよ!顔を上げてください」
と、有難い言葉をいただける。
クレーマーお客さん、 「(心の中)そこまでするなら…もう何も言えないな…」
こういう状況になれば、また来い(4回目)という事はない。
土下座なんて一生やらない方が良いに決まっている
佐川急便で責任ある立場を任され、クレームを収拾できない管理職は無能
とは言われてはいないが(それに近いことは言われましたが…)
土下座は「仕事が出来ない奴」と思われたくない苦肉の策です。
岡本、「(心の中)クレーム対応で収拾出来ないのは恥だから、俺は土下座でも何でもするぜ」
と、思ってはいたが
何とも言えない遣り切れなさと多大なストレスを抱えていたと思います。
記事を読んでくれている読者さんの中にも
責任感が強く、期待された仕事は自分の力で全てやり抜く
みたいに考えている人がいると思いますが
過度なストレスを自分に与え続けていると
その反作用は様々な形で自分に跳ね返って来る、と思います。
自分に負担を掛けすぎないように
自分に逃げ場を作ってあげて
仕事を頑張ってくれれば、と思います。
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