【佐川急便が本当に凄いと思った日】 「シートベルト装着義務違反が免除になる」

今から20年くらい前の話になるだろうか?

1999年(平成11年)に起きた東名高速飲酒運転事故で運送会社のドライバーへの取り締まりが厳しくなり違反の取り締まりも強化された。

昔の佐川急便のドライバーは、配達先に停車して降車する時のキー抜き、走行中にシートベルトを装着することはしていなかった。

運送会社のトラックといえばマニュアル車、という時代で(班でオートマ車は1台だけ)

シフトノブを2速かバックに入れてキーを付けっぱなしで降車する、というのが当たり前だった。

しかし、車両盗難(数キロ先で車が乗り捨てられていた)や自走事故(シフトノブがニュートラルのままサイドブレーキを引かないで降車して車が自走)が多発したので降車する時はキー抜きが徹底された。

私と言えば

岡本、「(心の中)配達する時にキーなんて抜いてたら配達が遅くなるだろ。バカじゃね」

なんて思っていた。

当時の佐川急便のドライバーが社内で「仕事が出来るドライバー」と認められる条件は、

① 配達、集荷が速い

② 営業(売り上げ)金額が多い

③ 事故、違反を起こさない

というのが条件だった。

「あいつは使える」「あいつは使えない」という言葉は何度も聞いたし自分も言っていた。

そして、「使えない人」に一度分類されてしまうと、そのレッテルを覆すのには並大抵の努力では覆せない。

岡本、「(心の中)シートベルトの取り締まりも厳しくなってるし、シートベルトしないとな」

この程度の考えだった。

そして、忙しい日は

岡本、「(心の中)配達遅くなるしシートベルトなんてやってられっかよ」

という感じだった。

右折したら「ピ、ピ~」御用だ

前回の記事では警察の事を悪く書いてしまったので、今回の記事は警察に感謝した?出来事です。(微妙ですが)

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岡本、「(心の中)やべ~な~、配達終わんね~よ」

配達が押せ押せだったので当然の如くシートベルトはしていなかった。

幹線道路に出る時に右折すると、

岡本、「(心の中)え???、やべ~」

警官A、「ピ、ピ~」

警官と目が合って笛を鳴らされた。

警官A、「ドライバーさんこっちに寄って」

岡本、「(心の中)…(茫然自失で言葉が出ない)」

警官A、「はい、シートベルトの取り締まりです。免許証見せて」

岡本、「すいません。違反すると会社をクビになってしまうんですよ。何とか見逃してくれませんか?(茫然自失で何を言ったか覚えていないが、こんなことを言ったと思う)」

警官A、「そんなことは出来ないよ。はい、免許証見せて」

岡本、「(心の中)…(茫然自失で言葉が出ない)」

観念した。

会社に帰って違反の報告をすると想像が出来なかった展開に

交通違反の取り締まりを受けて青切符(交通反則告知書)を持って会社に戻る途中

岡本、「(心の中)これで、お立ち台決定だな」

お立ち台とは、事故、違反をしたドライバーが全体朝礼(終礼)で事故、違反をした経緯を大きな声で報告してさらし者になる罰ゲームだ。

時には、お立ち台(罰ゲーム)で上司から

営業課長U、「てめ~がたるんでるから事故起こすんだろ!」

などの厳しいお言葉を頂戴することもある。

佐川急便に在籍していて絶対にやりたくないゲームの一つだ。

岡本、「T課長、申し訳ありません。シートベルト装着義務違反をしてしまいました。」

運行管理T課長、「え?、何処で?」

岡本、「〇□そば屋を曲がって、〇△街道に出た所です。」

運行管理T課長、「あ~、あそこか?、あんなとこでやってたのか?」

岡本、「はい、…」

運行管理T課長、「お前、○○警察だよな」

岡本、「?はい、…」

運行管理T課長、「まだ間に合うかもしれないな。○○警察、電話するから」

岡本、「え???、はい?」

数分後

運行管理T課長、「今から一緒に○○警察行くぞ」

岡本、「はい???」

警察との癒着なのか?昔の佐川急便の力は絶大だった

運行管理T課長と○○警察に行くと

運行管理T課長、「□△課Bさんはいらっしゃいますでしょうか?」

運行管理T課長と□△課Bさんと思われる人が話している。

□△課Bさん、「では、こちらへ」

2階に上がって部屋へ案内された。

社会人経験が浅くテンパっている私は

岡本、「(心の中)何が起きるんだ?免許取り消しだった、なんてことはないよな?…」

年配で強面の風格がある警察官が部屋に入ってきた。

運行管理T課長、「今回の件は、有難うございます」

年配で強面の風格がある警察官、「良いんですよ。佐川急便さんにはお世話になっていますから」

このやり取りだけでシートベルト装着義務違反がなかったことになった。

警察を出ると

運行管理T課長、「この事は他言無用だからな」

全て無かった事になってしまった。

違反をしなかった事になったのだから当然の如く「お立ち台」もない。

当時20代の私は

岡本、「(心の中)すげ~佐川急便、一生、佐川急便で働くぞ」

なんて思った。

良いことなんだか?悪いことなんだか?わからないが、私にはインパクトのある出来事だった。

佐川急便に在籍中は、様々なブラックな事もしてきたし、ブラックな事を会社から強要されたが

何の取柄もないダメな自分を鍛えてくれて佐川急便で働いた事を誇りに思う。

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