佐川急便に入社して5年半経ったころ、
S主任、「岡本、代走やってくれ」と、言われて代走をすることになった。
代走をしていた頃の苦い思い出はコチラの記事です。
代走をして頑張っているのに会社から評価されていないのか?と、感じていた頃
岡本、「(心の中)将来の事も考えて大型免許を取得しよう。2種も取ればバスの運転手になって転職も可能だもんな」
大型トラックの免許を取得した時の記事はコチラ
大型トラックの免許を取得して2カ月くらい経った頃、朝の積み込みをしているとO係長に呼ばれた。
O係長、「岡本、大型免許持っているだろ」
岡本、「(心の中)え?やべ~」
岡本、「はい、持っています」
O係長、「悪いんだけどさ、大型乗って配達してきてくれよ」
岡本、「…今日、2トンのコースですけど」
O係長、「お前が乗るコースは減便して振り分けるから、宜しくな」
岡本、「…はい」
岡本。「(心の中)マジかよ~」
運転席側のタイヤを中央線に合わせるように走れば左はぶつからない?
運転したこともない大型トラックに乗って配達することになってしまった。
大型トラックを運転したことない、と書いたが
運転免許試験場で一発試験の時に運転する大型トラックは、これが大型?と思うような大型トラックで車長が短いし、アルミ製の箱もない。
試験場で運転した時に思ったことは
岡本、「(心の中)佐川急便の4トントラックより運転し易いんじゃないか?」と思った。
実際に佐川急便の大型トラックを見ると
岡本、「(心の中)これに乗って配達に行くのか?4トンとは比べ物にならないほどデカいぞ」
S主任が不安そうにしている自分に話しかけてくれた。
S主任、「岡本、大型乗るの初めてだよな。大型は4トンより長さも幅もデカいから気をつけろよ」
岡本、「これに乗って配達に行くんですか?」
S主任、「運転の仕方は、運転席側のタイヤを中央線に合わせるように走れば左はぶつからないから」
岡本、「?は~?…」
自分の所属する班の担当主任、S主任には多少不満そうな態度をすることも出来るが、
O係長のお言葉、「~してくれ」は言われた時点で絶対である。
?という嫌な仕事でも
岡本、「…はい」
1~2秒遅れることは許されるが、「はい」の2文字しか許されない。
この頃の佐川急便は、主任、係長、問わず怖い人だらけで、「仕事が出来ない奴」という評判が社内で広がると口も聞いてくれない先輩ばかりだった。
この頃は、お金を稼ぎたい、という思いもあったが
岡本、「(心の中)この人から認められたい」と思う気持ちの方が強かった。
荷台を見て、満載、運転して、怖い
配達をする大型トラックの観音扉を開いて荷台を見ると
岡本、「(心の中)マジかよ…」
満載だった。
岡本、「(心の中)4件?2~3件の配達って言ってなかったっけ?」
岡本、「(心の中)どこだ?これ?」
自分が所属する地域じゃない企業の配達だから場所も分からなければ道も分からない。
配達をする順番と道を聞いたが、「運送会社で仕事をしているの?」と疑われるような方向音痴だった。
Googleマップやカーナビなんて無い時代(カーナビは徐々に普及してきた程度)
岡本、「(心の中)大型運転するだけでもヤバいのに、配達する場所も分からね~よ」
岡本、「…(心の中)こりゃ、そうとうヤバいな」
大型トラックに乗って会社を出発した。
岡本、「(心の中)でけ~、4トンと全然違うじゃん。確かに右タイヤを中央線に合わせるように走れば左はぶつからないようだな」
大型トラックの運転は道を間違えると大変な事になる。
道を間違えたから、どこかでバックをしてUターンをする、という事が出来ない。
だから見ず知らずの会社に進入して、その会社の従業員に不思議そうな顔をされながら、運転席で平謝りをして、バックをしてUターンをする。
岡本、「(心の中)この倉庫ならUターン出来そうだな。あ!人が見てる。取り敢えず謝れ。スイマセン、スイマセン」
こんな感じだ。
倉庫の従業員、「(心の中)また、道間違えて入って来てるな。しょうがね~な~」
物流に携わるっている人は同業者の気持ちも分かるので、怒る人はいない。
佐川急便は自分を成長させてくれた。しかし…
大型トラックに乗って初めての配達は、無難に終えることが出来た。
無難、だったが、心臓のバクバクは半端なく
帰社して
O係長、「お~、大丈夫だったか?」
岡本、「はい」
O係長、「そうか!また頼むな」
岡本、「…はい、任せてください」
岡本、「(心の中)え?また?…」
今の佐川急便では
係長、「お前、大型免許持っているよな!これ乗って配達よろしく!」
なんてことは絶対にない。
大型免許を取得している管理職が助手席に乗って指導を行い、許可が下りて初めて配達に行くことが出来る。
昔の佐川急便は、こんな出来事が突発的にあった。
このミッションを何事もなく(無事に)、迅速にクリア出来なければ
「あいつは、出来る奴」という称号を得ることは出来ない。
しかし、突発的なミッションを与えられて取り返しのつかないミスを犯してしまった同僚もいる。
昔の佐川急便は、自分を成長させてくれたが、取り返しのつかないミスを犯してしまった同僚は佐川急便を恨んでいるかもしれない。
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