ヤマト運輸のドライバーには毎日のように様々なクレームが寄せられる。
これはドライバー自身の過失というよりも、ドライバーが「お客様との最前線にいる社員」だからに他ならない。
荷物が潰れている、時間指定と違う、クール便が溶けている、など数え挙げれば切りがない。
これらのクレームは、ドライバー自身のせいというよりも、荷物がお客様の手に渡るまでに関わったヤマト運輸全員の責任だ。
しかし、お客様にとってドライバーは「ヤマト運輸という会社の唯一の接点」なので、会社に対して物申したいときはどうしてもドライバーにクレームを言うことになる。
今回のクレームは、ドライバー自身にも過失はあるものの、「そこまで怒るほどのものなのか?」と思わざるを得ないクレーム話だ。
クレームの内容は端的に言えば、「ドライバーの身だしなみが悪い」というものだった。
ヤマト運輸のドライバーは制服を着用して配送する決まりになっている。
2018年3月から、委託業者は一部地域で私服にて配達しているところもあるが、ヤマト運輸の社員の場合は、基本的に制服姿でお客様に荷物を届けるのが決まりだ。
その「制服」の着用方法が問題だった。
ヤマト運輸の社員、委託ドライバーが制服を着用して配達しているのか?について、こんな記事を見つけましたので参考に読んでみて下さい。➔ ヤマト、下請け運転手は「制服着用なし」の謎check
クレームを受けた社員は比較的若い社員だった。炎天下での配達のため裾をめくりあげ、シャツもパンツインではなく少々ラフな状態だった。
一般の若者のファッションであれば特に問題はないが、ヤマト運輸の制服を着てだらしない恰好でお客様に荷物を届けに行ってしまった。これがお客様の癇に障ったのだろう、クレームになった。
ヤマト運輸では制服の着用にも社内規定がある
ヤマト運輸の制服には夏服と冬服があるが、夏場ともなれば服装だけで暑さをしのげるものではない。
クレームを受けたドライバーは比較的若かったこともあり、ちょっとしたお洒落感覚もあったのだろう。
もしくは、ヤマト運輸が指定するパンツインの制服の着用姿が「ダサい」と思ったのかもしれない。
気持ちは分からないでもないが、ベースや営業所での作業中ならともかくお客様に荷物を届けに行ってしまったことについては弁解の余地はない。
ヤマト運輸には制服の着用姿にも規定がある。裾をめくりあげ、パンツインしていない姿は職務違反だ。
お客様がドライバーのそんな姿に対してクレームを寄せてきたということは、ヤマト運輸の服装規定のことを知っていたのかもしれない。
わざわざ配達中の制服姿でクレームを入れるのか?とも思うが、実際には規定違反を指摘されている。そのようなクレームを受ければそれに対して何らかの対処をせざるを得ない。
クレームをしたお客様は服装を理由にしているが、実際はドライバーの他の部分で気に入らないことがあったのかもしれない。
普段から愛想が悪いとか、生理的に受け付けない、といった理由で存在そのものが嫌だったのかもしれない。
それで、服装を見て「これならクレームを付けられる」と思ったのかもしれない。
クレームを受けたドライバーは担当地域の変更
こういうクレームを受けた以上、当然だが「そのまま」という訳にはいかなかった。
というのも、そのクレーマーが相当な粘着質だった。 ヤマト運輸には多くのクレームが寄せられるが、粘着質なクレームはそれほど多くはない。 1度のクレームで言いたいことを言ってしまえば済んでしまうのが殆どだ。
しかしそのクレーマーは何度も電話を掛けてきて「改善とかそういう問題じゃない」、「意識が低すぎる」と、かなり粘着質な難癖をつける日常の時間を持て余しているようなババアだった。
ここまで言われてしまったドライバーには気の毒だが配属先を変えるしか方法がなかった。配属先を変更した結果ようやくクレームは終結した。
何故?ドライバーがそこまで嫌われたのかは不明だが、結局はクレーマーの思うがままの展開に終結した。
もしも服装がまともだったら?
もし、ドライバーの服装がしっかりしていたらどのような展開になっていたのだろうか?
クレームを付けられることはなかったと思いたいところだが、人間的に嫌われていたのであれば、制服以外の部分で別のクレームをしてきたのかもしれない。
ではそのクレームに対してヤマト運輸がそのドライバーを守るのか?といえば、残念ながらドライバーを守るより事なかれ主義でクレームを収めることに終始する。
ヤマト運輸の事なかれ主義は徹底している。 とにかく会社の看板に泥を塗られないことしか考えていない。
この点は徹底しているので、「お客様の気持ちも分かるが、彼が何か悪いことをしたわけではないので特に処分は考えていない」などと答える可能性はゼロに近い。
どこの大企業でも同じかもしれないが、社員一個人よりも企業のイメージの方が大切だ。
お客様からクレームを受けてドライバーが配置転換する理由は「お客様が納得しないので仕方がない」という内容だった。
今回のケースではドライバーにも落ち度があったので、会社側としても少々理不尽なクレームだとは思っていてもドライバーに注意せざるを得ない。
ドライバーはしっかりと仕事をしているつもりでも思わぬ形で反感を抱かれる可能性がある以上、自分の身は自分で守るために社内規定だけは守らなければならない。
社内規定を守らないでクレームを受けたら言い訳のしようがないからだ。
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