今から20年前、佐川急便でクール便の荷物の取り扱いを始めた時の話だ。
ある朝、荷物を積み込む作業をしていた時、新商品のクール便を冷蔵庫に取りに行った。
クール便の荷物は、大きな冷蔵庫に保管されていて、ドライバーが各自、荷物を取りに行くことになっていた。
岡本、「なんだ! この荷物! やけに重いぞ!」
その荷物は、3辺、60センチくらいの箱で、やたらと重い。
岡本、「(ちょっと振ってみると・・・)、じゃら、じゃら、じゃら・・・???」
私は、たまたま近くにいた、Eドライバーに聞いてみた。
岡本、「Eさん、これ、ネジじゃね!」
Eセールスドライバー、「(笑いながら) そうみたいだね!」
その荷物の宛先は、取引先の会社宛だった。
私は、業務用ネジを冷やして送るのに何か意味があるのか?、と疑問に感じながらも温度管理がされている専用ボックスに荷物を入れた。
その荷物の配達先は、工場だった。
業務用ネジを冷やすことに意味があるのだろうか?
岡本、「毎度~! 佐川急便です~、Yさん、荷物がクール便で来てるんですけど・・・」
Yさんは、その工場の荷受責任者だ。
荷受責任者Yさん、「クール便???、クール便なんかで頼んでないよ!」
荷受責任者Yさん、「これ・・・、現場で使う部品なんだけど・・・」
岡本、「・・・・・・」
荷受責任者Yさん、「岡本さん、これ、使えるかどうか工場長に聞いてくるよ!」
岡本、「はい、・・・わかりました・・・」
数分後、・・・
荷受責任者Yさん、「岡本さん、とりあえず大丈夫らしいよ・・・、でも、なんでクール便で来たの?」
岡本、「・・・何かの手違いかと・・・、本来なら、常温で送る荷物を手違いでドライバーが、クール便で送ってしまったんだと思います。」
荷受責任者Yさん、「そんなことって、あるの?」
岡本、「・・・、申し訳ありません。」
まさか、新商品のクール便のキャンペーンで、荷物をクール便で送ったんだと思います!?、とは、口が裂けても言えない。
佐川急便が、新商品(クール便、メール便など)を新たに始める際、必ず、荷物獲得キャンペーンがある。
キャンペーンは、店の目標個数が決まり、コースのドライバーの目標個数も決まる。
〇月△日までに、Aコースは、クール便の荷物を20個獲得目標、という具合だ。
そして、難なくクリア出来るドライバーもいれば、残り1日で10個持って来なければならない顔面蒼白になっているドライバーもいる。
佐川急便の不適切な営業販売は黒歴史
佐川急便の営業キャンペーンは、毎年恒例の5月の第2日曜日、母の日のカーネーション販売。
社員に強要した母の日の営業ノルマキャンペーンの舞台裏はコチラ➔ 【母の日のカーネーション販売!売れないドライバーの過酷な実情!】check
新規取り扱い商品(クール便、メール便など)の、個数、売上高。
他社(ヤマト運輸、福山通運など)貨物の獲得。
チャーター便(引越しなど)の獲得。
物販(コピー用紙など)の販売。
ドライバーは、上司からその日の営業結果の追求がある。
キャンペーンが加熱してくると、店長、課長、係長に、その日の営業結果を報告に行く。
岡本、「お疲れ様です!」
O営業課長、「集荷個数」
岡本、「185個です」
O営業課長、「あ~ん! なんだ目標に全然足りてないじゃないか!」
O営業課長、「(母の日のカーネーション)花、何本だ!」
岡本、「今日は、ゼロです」
O営業課長、「お前、やる気あるのか?」
報告内容は、その日の個数、目標に対して何パーセント出来たのか?。
チャーター便、物販は売れたのか?
販売出来たら、その合計金額。
他社貨物の獲得個数。
売上が達成出来てなかったり、指示されたことが出来ていなかったりすると、こっぴどくやられる。
セールスドライバーの中には、上司にいびられることにビビリ、自腹を切って目標達成しようとする人や、いかさましようとする人もいる。
私も、どれだけ自腹切ったかわからないし、いかさまもした。
「セールスドライバーがネジの入った荷物を勝手にクール便にしているのではないか?」、という疑問は、佐川急便の営業キャンペーンが原因だろう。
管理人から一言
かんぽ生命の不適切販売問題によく似ている。➔ かんぽ生命 不適切販売問題check
営業ノルマを社員に強要する。➔ 社員は会社から評価を受けたいと思いあの手この手を使い物販する。➔ 不適切販売発覚
問題が発覚した会社は、販売した社員に責任を押し付けて「再発防止」という名のもとにトカゲのしっぽ切り。
佐川急便身代わり出頭事件も同じ構図 ➔ 【佐川急便身代わり出頭事件再発防止策】事件発生から9か月の謝罪文がお粗末な内容check
佐川急便もかんぽ生命も(郵政グループ)会社は社員を守らなければいけないのに使い捨て。
経営陣として最低の事をしているのではないか?(2019年1月10日改訂)
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