【佐川急便の営業係長が不祥事】駐車違反の点数を隠す為にドライバーを身代わり

2016年9月に起こった佐川急便身代わり出頭事件は、48件の駐車違反のうち7割にあたる33件で身代わりが行われ、62人が摘発されて終結した。

これだけ世間を震撼させた大事件だったにも関わらず佐川急便が公式発表した再発防止策は、何ともお粗末な内容だった。

SGホールディングスのホームページの中では様々な輝かしい功績が紹介されていますが・・・

このホームページの「お知らせ」という項目に「放置駐車違反身代わり出頭に関する原因と再発防止策について」➔ 放置駐車違反身代わり出頭に関する原因と再発防止策についてcheck 

謝罪文の内容が何ともお粗末で、形式的な文句の羅列だったので、摘発されたドライバー、管理職、親族の方々は報われないのでは?、と思いました。

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駐車違反で他のドライバーを身代わりにした事件の再発防止策がお粗末

以下の内容が、全文です。

昨年の放置駐車違反の身代わり出頭問題に関し、お客さまをはじめ多くの関係者の皆さま方に御迷惑、御心配をお掛けしたことを深くお詫び申し上げます。今回の事案を重く受け止め、従業員一人ひとりが法令遵守を徹底し、全社一丸となって皆さまからの信頼回復に努めてまいります。(2017.06.02)

4行の謝罪文と「原因と再発防止策について」のPDF➔ 2017 年 6 月 2 日 佐川急便株式会社 放置駐車違反身代わり出頭に関する原因と再発防止策についてcheck

「原因と再発防止策について」は、たったのA4サイズ 3枚半だけです。

オイオイ! 2017.06.02 って9か月も経ってるじゃないかよ!

9か月掛かって、4行の謝罪文とA4サイズ3枚半の原因と再発防止策だけでした。

次回、再発防止策の中身についても検証したいと思います。

IT業界で活躍されていて物流業界にも詳しいT氏に今回の「佐川急便身代わり出頭事件」について、執筆を依頼しました。

佐川急便の現場で働いたことがない人にとって第三者の目で「下車勤務」、という運送会社独特のペナルティにスポットを当てて書かれています。

参考までに読んでいただけたらと思います。

2016年9月に報道された佐川急便身代わり出頭事件は、ちょうど増大する荷物に対する負担増やスピード配送を求められる中で宅配業者のオーバーワークなどが問題となっていた時期とも重なりました。

同情をする声や身代わり出頭させる以前に宅配業者の駐車は大目に見てやれといった取り締まり側を批判する声も聞こえてきました。

法令違反は避けるべき行為であり、なぜに安易に身代わりなんて手段を考え出したのだろうと感じました。

直ぐにバレそうな手段をとってまで、何を守ろうとしたのかと思った方も多いのではないでしょうか?

一番の理由として頭をよぎったのは、駐禁を切られて免許停止や佐川の社内規定により業務停止などになるドライバーが出れば、今でも人手が足りない中で業務が回らなくなる、仲間に迷惑をかけるなど、業務上の負担が増大するのを避けるのに必死だったのではないでしょうか?。

しかし、その代償が全国ニュースになるほどの事案に発展し、犯人教唆や隠避という罪を犯したとして事件沙汰になるのですから代償が大きすぎます。

ちょっと考えれば、身代わり出頭させるなんて、駐車違反よりやばいこと、罪が重くなると分かりそうなものです。

それよりも目先の業務の負担を増やしたくない、会社にバレたくないなどの理由で大きな判断の誤りを犯したということは、それだけ佐川急便のドライバーたちが精神的に追い込まれていたのではないかと思え、その意味では気持ちが分かります。

最初のニュースが流れた段階では、妻や友人に代わりに出頭してもらったと東京営業所の数名のドライバーが行ったとの報道だったので、確かに大手の物流会社として褒められた話ではないけれど、そこまで大きく取り上げなくてもと思ったものです。

宅配会社のドライバーが大変だ、負担が多いという実情がようやく社会的に認知され、広く一般の方の理解も深まる方向に進んできた時期だったので、宅配業界に逆風が吹くような報道は抑えて欲しいとさえ思いました。

もっとも、その後の警視庁の捜査で江東区にある東京営業所だけで33件の事案で62人もが摘発を受け、書類送検される事態になってしまいました。

つまり、数人のドライバーが切羽詰まって行ったというよりは、営業所での組織的な隠ぺい工作として行われていたとみることができます。

警視庁の調べでは東京営業所では平成25年12月から平成28年7月までの間に48件の駐車違反があり、そのうち33件で身代わりがなされていたとのことです。

駐車違反の約7割が身代わり出頭というわけですから、一個人が切羽詰まって思わずなしたというよりは、組織的にそうせざるを得なかった事情さえ見えてきます。

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佐川急便では事故、違反をするとペナルティで下車勤務

身代わり出頭という破ってはいけないルール違反の壁を超えさせてしまったと思える、営業所独自のルールがあります。

東京営業所においては駐車違反の取り締まりを受けると「下車勤務」という、運転できない処置が取られています。

会社としては安全運転や運転ルールを徹底した模範ドライバーが配達をすべきといったコンセプトがあるとは思いますが、現場のドライバーとしては人手が減れば業務がより過酷になるから避けなければいけない重い社内処分だったのでしょう。

実際に摘発された62人は37人が佐川関係者でそれ以外はその家族や親族、37人の関係者のうち4人が事件当時に係長という管理職的な立場にあった人で「下車勤になると係の仕事が回らなくなる」、「係の評価を下げられるのが怖かった」と説明していると言います。

警視庁の捜査終了に伴い、佐川急便が発表した再発防止策は6つの柱で構成されていますが、中でも注目すべき点は下車勤務の原則禁止の徹底と、身代わり行為の社内処分の厳罰化です。

再発防止策についてコチラのサイト様が詳しく書かれています。➔ 佐川急便、身代わり出頭問題で再発防止策check

驚いたことに放置駐車違反で下車勤務とすることは従来も原則禁止だったとのことです。

しかも、事件を起こした東京営業所でも平成14年から廃止していたとのことですが、廃止したはずの10年後にこんな事件が起きたということは、名目上の廃止に過ぎなかったのかもしれません。

物流業界は体育会系なところがあるので、こうした環境や考え方も見直していく必要に迫られているのではないでしょうか?

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