【ヤマト運輸の宅急便運賃値上げの本当の理由】人手不足で冷凍の荷物を常温で放置!

2017年10月1日からヤマト運輸の宅急便の運賃が全面改訂された。

 

ヤマト運輸の運賃改定につきましては、コチラのサイト様の記事を参照させていただきました。➔ 【2018年版】ヤマト運輸/日本郵便/佐川急便 改訂後の新運賃とサービスまとめ!運賃値上げへの対策

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そのことを受けて2018年4月、ヤマト運輸の取扱個数が減っていると発表された。

 

取扱個数の減少と聞けば会社や株主にとっては、利益の減少を心配するかもしれないが、ドライバーや現場の社員にとってはそれでもまだまだ「荷物が多い」環境だ。

 

慢性的な人手不足が根底にある

 

運送料金の値上げに関しては様々な意見があるだろう。

 

値上げをどの角度から見るかによって意見が変わるが、間違いなく言えることはヤマト運輸の「現場」に関しては慢性的な人手不足に陥っている。

 

おそらく一般社会に於いては「ネット通販が増えているから運送業・物流業界は大変だ」というパブリックイメージがあるだろう。

 

ネットの通販市場が拡大したことで便利な世の中になっているのは間違いない。

 

しかし、そのしわ寄せが物流業界を直撃している。

 

お店に行く必要もなく、スマートフォンさえあればどこからでも買い物できるし決済もクレジットカードで可能だ。

 

商品を便利に購入できるシステムが構築されているが、その商品を運ぶのはまだまだ人間だ。

 

近未来、無人運送で荷物を運べる時代が来るかもしれないが、まだまだ荷物は人間が運ばなければならない。

 

ネット通販市場の拡大は運送業界にとって人手不足を加速させてしまった。

 

ヤマト運輸に限らず、どの運送業も「悲鳴」ではなく、「お手上げ」となってしまった。

 

ドライバーだけではない人手不足

 

慢性的な人手不足は、ドライバー職だけではなく全ての業種が人手不足に陥っている。

 

荷物を集め、仕分けをするベースや営業所の事務員も人手不足だ。

 

先日、Twitterでヤマトのクール便の荷物が溢れていることで話題となった。

 

コチラのサイト様の記事を参考にさせていただきました。➔ 冷凍の荷物を「常温に近い状態で放置」…SNSで内部告発 ヤマト運輸は一部否定「明らかな間違いがある」

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それらの反応を見てみると「ネット通販で荷物が増えていて大変だ」との声が多数寄せられていた。

 

しかし、ヤマト運輸関係者にとって、あの光景はネット通販が無い時代からの「定番」の光景だ。

 

ここまで人手不足が顕著ではない時代からお中元やお歳暮の時期の定番の光景で、Twitterの画像を見て懐かしさを覚えた関係者さえ多いことだろう。

 

ヤマト運輸が荷物の値上げに踏み切った理由

 

そのような状況でもヤマト運輸は、運賃の値上げをしなかった。

 

しかし、ここにきてついに値上げを決断。

 

価格競争で勝負していたヤマト運輸がいわば価格競争に白旗を上げた形だが、長期的に見ればこの判断は現場からも概ね歓迎されている。

 

ヤマト運輸の売り上げは減るだろう。

 

しかし、人員が減っている中で、これまで同様の売り上げを維持しようと思ったらさらに現場の人間を酷使することになる。

 

人手不足対策に抜本的な解決策がない状況は、いわば人手の奪い合いだ。

 

これは私の勝手な憶測だが、ヤマト運輸は人手不足解決策が見いだせないからこそ値上げに踏み切ったと考えている。

 

というのも、人出不足が顕著になる前から既にドライバーだけではなく、仕分け作業の現場や営業所の事務員など至る所で人手不足が囁かれていた。

 

人件費をカットしろという指示もあるが、それ以上に単純に働いてくれる人間の確保が困難になってきている。

 

とある首都圏のベースでは、仕分け作業員の大半が外国人留学生に頼っているほど。

 

時給を上げたところで人手を確保できないということはヤマトの首脳陣も理解しているからこそ、荷物の個数を抑制するという意味で値上げに踏み切ったのだろう。

 

ドライバーにまでは還元されていない現状

 

荷物の料金を値上げしたことは荷物の個数の抑制であって、利益を狙ったものではない。

 

このタイミングで「過去の清算」をしようとしている。

 

例えば、それまで未払いだった残業代の支払いにも応じる構えを見せている。

 

これまでのヤマトホールディングスは、ドライバーや従業員に対して「働かせてやっている」との姿勢が見え隠れしていて、それこそ「代わりはいくらでもいる」と思っていたことだろう。

 

ヤマト運輸のドライバーには様々な雇用形態がある。

 

外部委託もあれば、正社員もあるが、実はそれなりの年齢でも契約社員というケースも珍しくない。

 

ヤマト運輸にはマネージと呼ばれる種類のドライバーとキャリアと呼ばれるドライバーが存在する。

 

マネージは世間一般の正社員で、マネージはボーナスも支給される。

 

一方でキャリアは、時給制でボーナスは雀の涙ほどしか支給されない。

 

そして、悲しいかな現場を支えているのは、キャリアのドライバーが多数を占めている。

 

代わりのいない存在だとすればドライバーはマネージにすべきだろう。

 

経費を抑えたいヤマト運輸はドライバー職はキャリアを多くしたい。

 

そんな思惑があるのだが・・・

 

しかし、ようやく「代わりがいなくなりつつある」という現実を理解してきたのかもしれない。

 

荷物の抑制は全体的に見れば効果があったかもしれないが、はっきり言ってまだまだ悲鳴を上げている営業所、ベースは多数ある。

 

ドライバー職の待遇が改善されたとしても営業所の事務職やベースの作業員の環境が改善しなければ意味がない。

 

なぜなら、業務環境の変革こそ人手不足解消の切り札になる。

 

今の時代の労働者は働く先のことをネットで調べている。

 

先の話でTwitterの画像を見て、ヤマト運輸の仕分け作業のアルバイトにチャレンジしようと思う人間などなかなかいないだろう。

 

荷物を運ぶのはドライバーだが、荷物を仕分けている営業所やベースが、これからヤマト運輸が改善しなければならない「労働環境の改善」に含まれているかにも注視していきたい。

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2 件のコメント

  • クール便問題に関しては
    明らかに上層部の判断ミスだと思いますね(それも凡ミス)
    おそらく昔からあったことで
    SNSのおかげで明るみに出ただけの事では無いでしょうか

    年間の物流量なんて予測可能なのに
    こうなる事が逆に不思議でなりません(アホかと思いますね)

    繁忙期を見越して設備投資をする
    倉庫の使い勝手を良くする(場合によっては倉庫の拡張も検討する)
    こうした当たり前の事をせずに
    利益で物を考えるからこうした事になるわけです

    基本的に現場の人間も真面目だったり
    クレームを避けるように働く人間が大半なので
    短絡的にヤマト( or 運送業全般)=悪 とは言えないでしょう。

    • 通りすがり氏さん

      コメント、アドバイス本当にありがとうございます!
      通りすがり氏さんの解説通り、不具合があるのに改善されないことや物量が多くなることが予想されるのにそれに見合った人員を整えないのはアホだと思います。
      運送業を従事する会社は、目先の利益を追い求める傾向があります。(最大手のヤマト運輸、佐川急便でさえ)
      長年、内部にいた私でさえ佐川急便のスローガン「顧客第一主義」 は???どこが?と、思っていました。
      そんな会社で働いている人間は、悪い環境ながら現場を少しでも良くして配送品質を高めようとしているドライバーばかりですよ。

      コメント、アドバイス本当にありがとうございます!
      私が知っている限りの情報をお伝えして、お役に立てればと思っております。
      今後ともよろしくお願いします。(運送業に従事している私にとって耳が痛いご指摘です。これからも記事へのご意見御座いましたらお願いします。)

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