【ヤマト運輸の元社員が隠蔽、改ざんの日常化について語る】社外秘資料(赤社報)流出と日本郵政の保険不正販売の類似性

一部メディアがヤマト運輸の「社外秘資料」を入手したことが話題になっている。

 

不正行為、犯罪、さらには事故などをまとめた資料だ。

コチラのサイト様が詳しく事件の詳細を報じています。➔ ヤマト「社外秘資料」入手!代金着服、事故隠蔽…不正・懲戒の実態check

 

「懲戒委員会審査決定事項」なるもので、それを独自入手したことでヤマト運輸がどのような体質なのかが浮き彫りになったということで、ネット上でも話題になっている。

 

ヤマト運輸広報のコメントは「コメントを控える」と回答し、存在の否定をしなかったことが更に拍車をかけているようだ。

 

ヤマト運輸が巨大組織であることは紛れもない事実だ。一部上場の巨大企業だから経営陣は会社の看板を守ろうとする。

 

この社外秘資料に9カ月で総計203件の事案が書かれていて事の深刻さがうかがえる。この数字は全国に従業員を20万人以上抱えている大企業として考えれば大きい数字ではないが、宅急便事業のみの不祥事の数でヤマトホールディングス全体では氷山の一角だとすると不祥事にまみれた巨大組織と言わざるを得ない。

 

しかし、問題の本質は事故、違反の件数ではなく、懲戒委員会審査という会議が定期的に上層部で行われ不祥事が日常化していることに驚かされる。

 

ヤマト運輸元社員に社外秘資料(赤社報)流出について聞いた

 

これからの記事は、ヤマト運輸元社員Y氏(内勤で顧客応対をしていた人です)に社外秘資料流出について率直にどう思うか?について書いていただきました。Y氏はヤマト運輸を退職する際、日常業務の理不尽さが嫌になって退職するに至りました。ドライバーの事故隠蔽や飲酒運転で逮捕、代引き金の着服などがどういう経緯で起こっているのか?を独自の視点で解説しています。(管理人の私が編集している箇所もあります)

 

ヤマト運輸はしっかりとした社員教育を行ってはいるが、教育を受けてどのように考えるかは結局のところ本人次第だ。 教育を受け責任感を持って仕事に取り組んでいる従業員もいれば「バレなければOK」と考える従業員もいる。

 

また、入社当時は真面目に仕事をしていたが、仕事に慣れると悪いことも吸収してしまう従業員がいる。

 

「これくらいならバレない」と判断するようになり、次第に手を抜いた仕事をするようになる。

 

もちろん、だからといって「ヤマト運輸に責任がない」などと言うつもりはない。何故?手を抜く従業員が増え不正をする従業員もいるのか?従業員が仕事に対し「賃金に見合っていない仕事だ」と感じているからに他ならない。

 

だからと言って不正をして良いとことにはならないが、ヤマト運輸が設定する目標数値や賃金を含めた様々な数値が現場のことを考えたものとは言い切れないのも事実だ。

 

そのため、止むにやまれずバレないからという気持ちで不正を犯してしまうドライバーがいたとしても不思議ではない。(一般論を書いていますが週休2日~3日もらってて代引き荷物の代金を着服して懲戒食らってたら会社に不満があるとか?ないとか?なんて弁解は出来ないですよね)

 

ヤマト運輸が大切にしているのは会社の看板

 

他の企業の事はわからないが、ヤマト運輸は従業員に対して優しい会社とは言い切れないところがある。ヤマト運輸が何よりも大切にしているのは会社のブランドイメージだ。

 

ヤマト運輸のテレビCMを見ればよく解る。商品、サービスを紹介するテレビCMは少なく、ヤマト運輸という会社のイメージアップを狙っているCMが多い。企業の好感度アップのCMが主流だ。

 

現場でドライバーがどれだけ苦労しているのか?など興味がないように思う。数字しか興味がない。

 

ドライバーが現場でどれだけ苦労しているのか?お客様の矢面に立ってどのような気持ちで荷物を配達しているのか?など考えていない。上層部もヤマト運輸というブランドを守るために必死なのは理解できる。

 

しかし、上層部がヤマト運輸を守るためにと出すアイディアの中には自社のドライバーたちを苦しめるものも少なくない。(例を挙げれば駐車時の「ワドメ」だろう。観光客の外人が見たら「・・・WHAT?(なんだ?あれは?ディスイズワドメ?)」と日本の文化?にビックリするだろう。

 

基本的に背広組とドライバーは別路線

 

このような問題が起きる背景には、ヤマト運輸本社の背広組がドライバー出身者ではなくドライバーの苦労を分かっていない人間が上層部にいる点が挙げられる。

 

ドライバーがどんな仕事をしているのか?くらいは把握しているだろう。 だが、そこにどのような苦労があるのか?までは把握していない。

 

そのため、会社が提案する新しいサービスはドライバーに負担を強いることが多い。

 

例えばヤマト運輸は近年IT技術を積極的に導入している。

 

宅急便は電子決済が可能になるなど、お客様にとってはお金を支払う際選択肢が広がって有難く思われることだろう。 しかし、その電子決済端末機を誰が持ち運ぶのか?といえばドライバーだ。「それが時代の流れだ」と言われればそれまでだが、他にもドライバーへの負担を増やすことは多々ある。

 

負担が多くなるとドライバーが限界を感じ、「サボれるものなら」と考える気持ちは理解できる。

 

ドライバーの苦労を知るためにも背広組は数日間ドライバー業務を行ってみればいい。

 

お客様やブランドイメージを大切にすること自体は間違ってはいない。しかし、ドライバーに負担を押し付ければ押し付けるほど不祥事も増えるような気がする。

 

背広組がドライバー業務を体験すればヤマト運輸のドライバーがどのような苦労、負担を強いられながら日常業務をしているのか?が分かるだろう。

 

・ 背広組の要求が数字しか見ていない無機質で厳しいもの

・ その要求に対し、賃金に見合っていないと現場やドライバーが感じている

 

仮にだが、「無茶だろう」と思われる仕事でも、賃金が良いものであれば頑張るドライバーは増えるだろう。上層部が現場を理解しているとは言い難いのが現状だ。

 

上層部が組織の下から送られてきた資料の数字だけで判断するのではなく、積極的に現場を見て回り、営業所、主管支店、センター、ドライバーの苦労を鑑みた上で様々な提案をすれば働くスタッフたちも「いつもしっかり考えてくれている」との気持ちが芽生えるだろう。

 

基本的にヤマト運輸上層部の考えは、ドライバーに対して「誰でもできる仕事」「代わりはいくらでもいる」というスタンスだ。

 

昨今の人出不足でその認識も変わってきているだろう?・・・と思うかもしれないが、実際にはまだまだ「ドライバーの代わりはいくらでもいる」というスタンスに変わりはない。

 

運送業界を知らない人からすれば「おかしくない?」と思うだろう。

 

残念ながらヤマト運輸の上層部はそれでも尚、「ドライバーの代わりなんていくらでもいる」というスタンスを崩していない。

 

数字だけを見て目標を決め達成出来ないようであれば「何故?できないんだ!」になる。

 

自分たちが現場の現実を知らず、理想だけで掲げた数字に対してこのようなスタンスを取れるのも、根底には「これくらいやれるだろ!」という増長(高慢)があるのは言うまでもない

 

形式的な現場検証は行われている

 

実は上層部の現場検証は行われていないわけではない。

 

極稀にではあるが、検証が行われる時もある。

 

だが、「現場を見て考えよう」ではなく、労災事故が多い時などトラブルがあった時に「仕方なく」「形式的に」検証をしているだけに過ぎない。

 

本気で検証をして現場の改善をしようと考えているのであれば30分弱で終わるわけがない。

 

30分弱、現場の問題点を探そうとして歩いているわけでもなく顔見せに来ているだけに過ぎない。

 

内部監査では抜き打ち検証をしない

 

しかし、上層部の検証の「雑さ」は現場側にも責任がある。

 

なぜなら、上層部の検証はしっかりと予告される。

 

組織としては当然のことではあるが、「〇日の〇時に検証に行きます」としっかりアナウンスしてくれている以上、抜き打ちの検証ではない。

 

現場としては検証に備えることができるし上層部が検証で見ている光景は、「日常的な光景」ではなく「検証に備えられた光景」だ。

 

例えばベース作業では上層部が検証に来る時は、荷物が流れているベルトコンベアの速度を遅くしている。

 

ベルトコンベアの速度は速度調整ができる。

 

速度が速い方が当然荷物も早く流れるので仕分けが早く終わるが、仕分ける速さよりも荷物が運ばれてくる速さが早くなれば仕分け場所には荷物が溜まっていき荷物が荷物の下敷きになって破損の確率も上がる。

 

しかし、コンベアの速度を遅くすれば荷物の仕分け作業をきちんとすることが出来る。

 

そして、通常はコンベアに流しているような割れ物も、上層部が来る時はコンベアに流さず台車を使って手で仕分け場所まで運ぶ。

 

通常はとにかく「早く終わらせなければならない」とばかりに荷物はガンガン流す。

 

割れ物シールが貼られているくらいでは現場の作業員は何も気にしないだろう。

 

そして荷物の仕分け場所は荷物が溢れ、荷物が荷物の下敷きになり破損が増える。

 

更に短時間にたくさんの荷物が流れてくるので作業員は焦り、誤仕分けにもつながる。

 

本来であれば上層部にそのような光景を見せるべきなのだろうが、現場責任者は自分可愛さに嘘偽りの現場を見せる。

 

本来なら「貴方たち(上層部)の理想をかなえようとするとこうなっちゃうんですよ」と現場責任者は通常の仕分けの様子を見せるべきだが、上層部が検証に来るときは荷物を丁寧に扱う。

 

そんな作業速度では仕分けは終わらないが、上層部が検証する時間は30分にも満たないもの。

 

つまり、現場責任者は30分だけ「演技」すればよいと考える。

 

仕分け場所が荷物で溢れかえっているところを見せたら怒られる・・・そんな思いから、「真実の現場」を見せない。

 

その結果、上層部としても「スムーズじゃないか!」と現場の問題点を把握出来ない。(本当に思ってたら脳天気野郎にも程がある、と思うけど・・・)

 

そして、検証を終えた上層部から送られてくる「現場の次の目標数値」は、嘘で塗り固めた現場以上の目標数値が新たな目標になる。

 

検証で上層部に「真実の現場」を見せていない現場責任者にも問題がある。もし「真実の現場」を検証の時に見せたら現場責任者は責任者の地位を明け渡すことになることは言うまでもない。

 

大手運送会社で生き抜いていくには直属上司に気に入られるしかない

 

運送会社は根っからの縦割り社会だから上司が右を向けと言ったら右を向かなければならないし会社のために良くないとわかっていても上司の機嫌を損なわないような計らいをしなければ自分の存在価値がなくなるような仕打ちを受けかねない。

 

結局は運送会社で働く人達は私も含めて何の取柄もないハンドルを握ることだけしか取り柄のない人達の集まりだ。

 

だから、サラリーマン体質に成らざるを得ない。

 

個人の能力はたかが知れているから会社の力で地位を上げてもらうしか自分が活躍して稼いでいけないことを知っている。

 

運送会社で長年働いていて少しだけ能力のある人は若いころは出世することを目指して頑張るが、能力?の限界を感じてシフトチェンジして現状維持か自ら地位を退いて粛々と仕事をしている人が多い。

 

この運送会社の体質が上層部の30分だけの検証や現場責任者の30分だけの演技を象徴している。

 

現場に来ている上層部と言えども社長ではないし、サラリーマンの一人だ。

 

ヤマト運輸という会社の事なかれ主義は、上層部、現場責任者、現場で働く従業員へと浸透している。

 

臭いものにはフタををして〇〇会議で粛々と議論したふりをして書記が改善したふりのノートを作り上げる。

 

この繰り返しが現場の改善意欲を無いものにし隠蔽、改ざんが日常化されるシステムを作り上げてしまう。

 

ヤマト運輸、佐川急便、日本郵政など大手企業にこの傾向が強い。

日本郵政でも同様の事件が起きてしまった。隠蔽、改ざんが成長すると事件になる。➔  郵便局の保険不正販売で深まる、郵政とアフラックの迷走check

 

中小規模の運送会社でこんなことをしていて生き残れる時代ではないからだ。ただでさえコストの掛かる運送業界で生き抜いていくには徹底したコストカットを実践しなければならないし〇〇会議もくだらない会議ではなく現場レベルでの改善案や経営の方向性を真剣に考えている。

 

今回の件は、ただ単に「ヤマト運輸で社外秘資料が流出」という問題ではなく、ヤマト運輸でも日本郵政のような事件が起きる前兆のような気がする。

ヤマト運輸のグループ会社(ヤマトホームコンビニエンス)で過大請求事件が起きている。➔ 起こるべくして起こったヤマト過大請求check

 

問題の本質を理解していないバカな上層部、「社外秘資料が流出しないように対策を講じなければならない」

 

おいおい!対策を講じなければならないのは、ソコじゃないだろう。

 

今回の件はヤマト運輸が大手運送会社の旧態依然な構造を見直すシグナルだと思うが、たぶん現状維持で変わらないだろう。

 

変わらなければ、また起きる。メール便の配達で委託業者、クロネコメイトが未配達荷物を自宅に持ち帰ってしまう事件が続くように近い将来また同様の事件が起きるだろう。(2019年8月19日改訂)

スポンサーリンク

コメントを残す

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください