今から3年ほど前、ヤマト運輸の委託をしていた頃、支店長から言われたことがある。
ヤマト運輸M支店長、「おかもっちゃん、突然で申し訳ないんだけど… 再来週の月曜日、主管支店で誤配(誤配達)撲滅の研修をやるんだけど出てくれない?」
岡本、「再来週ですか? 10日もないじゃないですか?」
ヤマト運輸M支店長、「ほんと、突然で申し訳ないんだけど…」
岡本、「…少し考えさせてもらって良いですか?」
ヤマト運輸M支店長、「…わかった」
翌日、自分なりの考えを話そうと支店長に時間を空けてもらった。
岡本、「研修の件ですが、委託が休みの日に無償で研修を受けなければいけないことに納得がいかなくて…」
ヤマト運輸M支店長、「そうだよな。おかもっちゃんならそう言うと思ったよ…」
ヤマト運輸M支店長、「俺も委託の立場ならそう思うもんな」
ヤマト運輸M支店長、「この話は、一度俺に預からせてくれないか? 相談してみるよ」
岡本、「わかりました。お願いします」
ヤマト運輸の支店長にも話の分かる凄い人はいる
「研修の件ですが、委託が休みの日に無償で研修を受けなければいけないことに納得がいかなくて…」
こんなことを委託の立場で誰かれ構わず言ったりはしない。
M支店長は、3か月前の10月に異動してきた支店長だ。
最繁忙期の年末が訪れようとする時期に支店長が変わる?と、私が所属するセンターでは毎日のように噂話になっていたが、支店長が変わって正解だった。
M支店長は、社員のドライバーにもパートさんにも委託のドライバーにも好感を持たれるような珍しい支店長だった。
支店長に直談判するようなことは、流石に相手を見てしか言えない。
と、言うよりこの人だったら話を聞いてくれて、本音で話が出来るかな?と、思えなければこんな話はしない。
しかし、自分が思っていた人物像とは違うかもしれないし、どう返答されても対処できるようにはしとかなければいけない。
最悪、「面倒くさい奴だな」と思われて、委託切り(俺の言うことが聞けなければもう来なくて良いよ)も想定しとかなければいけない。
私は、どうでもいい話は軽く受け流す性格だが、「委託」が「休日」に「無償」で「研修」に「参加」と、いうのはどうしても納得がいかない。
佐川急便の社員時代にブラック企業の残業を散々しているトラウマだろう。
佐川急便を辞めて起業したら「絶対に納得できない仕事はしたくない」と思っていた。
ヤマト運輸が委託に脅迫文
以下の内容がヤマト運輸から委託へ配布された「無償で研修に参加しろ!」の文面です。(一部を抜粋)
矢印の後に私なりのコメントを書き加えました。太字が原文です。
建前上、応対・交通マナー研修という名目ですが、繁忙期に委託の誤配達が相次ぎ年明けに研修を開催、という流れになったようです。
➔ 誤配達したドライバーに研修しろ!(各センターで) 全体の研修にするな!
大手の運送会社(○○急便など)に「あるある」ですが、本社に品質(時間帯不履行や誤配達など)を担当している管理職がいて、目標数値が下がると
「自分の恰好がつかないので」あたかもやっている振りをしようとする、そいつ(管理職)の為のくだらない集まり(研修)です。
➔ てめ~(管理職)の利権の為に委託を巻き込むな!
応対・交通マナー研修の実施について
日頃の配達業務、誠にお疲れ様です。
➔ お疲れ様です。というなら休みの日は休ませろ!
さて、昨年の運賃改定以降、当社への世間の注目はさらに強まり、応対マナーや交通マナーについて厳しいお声をいただくことも少なくありません。
➔ 平成30年の1月、委託に研修参加しろ! 同8月にヤマトホームコンビニエンスの法人向け引っ越し料金水増し請求事件発覚
委託に応対マナー、交通マナー教える前にグループ会社の不祥事何とかしろよ。そりゃ、世間の注目が集まるわ。
ヤマトホームコンビニエンスの水増し請求事件の概要はコチラのサイト様が詳しく報じています。
ヤマトにとって引越し過大請求事件は幸運なチャンスだ…引越し事業廃業で飛躍的成長check
当社のネコマークを身につけて業務を行っている以上、配達委託の皆様におきましても、地域の安心・安全を第一に考えて業務に取り組んでいただきたいと考えております。
その実現に向けて、この度、応対・交通マナー研修の場を設けさせていただきます。下記に、詳細をお知らせしますので、必ずご参加くださいますようお願い致します。
日時 平成30年1月15日(月)
① 午前10時~午前12時
② 午後1時~午後3時
(どちらか必ずご参加ください)
※ 会場によっては駐車場がありませんので、公共の交通機関を利用してご参加ください。
もしくは、近隣のコインパーキング等の駐車場をご利用ください。
➔ なんじゃこりゃ? 委託への脅迫文か? 参加するだけでなく、コインパーキングに自腹で車を停めて参加しろ?
無償どころか赤字だろ!
YSS(ヤマト・スタッフ・サプライ)に加入を条件に研修は不参加
M支店長は、「委託のドライバーが無償で研修に参加するのはおかしい」と言っている。
と、言ってくれたらしい。
私と顔を合わす度に進捗を話してくれたし、YSS(ヤマト・スタッフ・サプライ)への加入の話もM支店長が話してくれた。
M支店長、「おかもっちゃんがYSSに加入しなくて、センターを去るようになったら痛手だよ」
M支店長、「10万円の加入料は高いから無理強いは出来ないけど… もう少し安くならないか聞いてみるよ」
今になって思えば、M支店長の手の平で踊らされていたのかもしれないが、
自分なりに納得して決断したことが、後になって誤りだったと思っても致し方ない、と思っている。
その場、その場で考えて決断したことには悔いはない。
応対・交通マナー研修に参加することは、どうしても納得が出来なかったので、M支店長に条件提示をした。
岡本、「YSS(ヤマト・スタッフ・サプライ)に加入する代わりに研修は免除できませんか?」
その条件提示は、M支店長が、「そういうことなら俺が何とかするよ」と言ってくれて
自分なりに納得してYSS(ヤマト・スタッフ・サプライ)に加入した。
しかし、その後、運賃改定の影響でアマゾンの荷物が無くなりヤマト運輸に所属していた委託は冬の時代を迎えることになる。
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