今回は、管理人の知り合いの身内の方が、暴力団から「みかじめ料」を要求された体験談をご紹介します。
暴力団からみかじめ料を要求された時はどのように対処したらいいのでしょうか?
「みかじめ料」とは
暴力団が縄張り内の飲食店などから「用心棒代」として毎月受け取る金品のことです。
暴力団の重要かつ安定的な資金源のひとつと言われています。
元々の語源は「みかぎり」(見ケ〆)と書き、取締まることや監督するという意味があります。
暴力団が縄張り地域内で商いをする飲食店等を守る、監督する代償として受け取る金品のことです。
暴力団の縄張り内に別の暴力団や反社会的勢力が営業妨害することがあります。
昔は、こうした場合に、みかじめ料を払っていれば、縄張りを仕切る暴力団が守ってくれたので、「ギブ・アンド・テイク」の関係が成り立っていました。
「みかじめ料」要求の手法
みかじめ料の対象となる業種は多岐に亘ります。
典型的な業種は、バー、スナック、クラブ、居酒屋、ソープランド、飲食店、パチンコ店、ゲームセンター、麻雀店などです。
新規に開店すると同時に組員が現れます。
「この辺りはうちの組が仕切っている」「組に断りもなく商売できると思っているのか?」「うちの組がお宅を守ってやる」などと言い、みかじめ料を要求してきます。
払わなければ、払うまで執拗な嫌がらせを続けます。
法律上はみかじめ料を収受することは禁止
平成3年(1991年)に暴対法(暴力団対策法)が施行されました。
正式な名称は「暴力団による不当な行為の防止等に関する法律」といい、暴力団がみかじめ料などの不当な金品を要求することを禁止にした法律です。
また地方公共団体の条例である暴力団排除条例(暴排条例)においては市民がみかじめ料を支払う行為そのものも禁止にしています。
公安委員会は暴力団、市民双方の違反者に対して、違反行為を止めるよう勧告できるようになっています。
おもしろい記事を見つけたので載せておきます。➔ 暴力団が要求する「みかじめ料」って何?相場はいくらなの?断り方が知りたい!check
私の身内が暴力団から「みかじめ料」を要求されたのは平成5年(1993年)のことでした。
暴対法が施行されていましたが、その主旨はまだ暴力団、市民には広く浸透していない時代でした。
依然としてみかじめ料も横行していました。
神田で居酒屋を開店させると、直ぐに暴力団がみかじめ料を要求してきた
そのような社会情勢の中、私の弟が神田で「居酒屋」を開店させることになりました。
弟と妻と二人の娘の4人で始めました。弟には、「地元のヤクザが来てみかじめ料を要求しても絶対に払ってはいけない。もしものときには連絡するように」と伝えました。
開店後暫くはヤクザからの接触はありませんでした。安くて美味しいとの評判でたちまち繁盛店となり、私も何度か友人や顧客を連れて行きました。
ところが開店2か月目に入った頃に、地元のちんぴら二人が飲みに来たそうです。
店のはやり具合いを見にきたのです。次の日に店長である弟が店の裏に呼び出され「みかじめ料」を要求されました。
地元のちんぴら、「お宅の店、結構流行っているじゃね~か。ここはうちの組が仕切っているんだ。変な奴が来て営業妨害されたときに俺たちが守ってやるよ」(自分たちが変な奴だろ、と思いますが・・・)
店長、「ありがとうございます」
地元のちんぴら、「だけど、ただでっていうわけにはいかねえよな」
店長、「うちの店はまだ始めたばかりでそんな余裕はありませんよ」(これは余裕があれば払うという意味で、言ってはいけないセリフです)
地元のちんぴら、「それじゃ来月まで待ってやるよ。来月、俺たちが受取りに来るから現金で〇〇万円用意しておけよな」
弟はこうしたやり取りがあったことを私に報告してきたので、絶対に払わないように伝えました。
翌月、同じちんぴらがみかじめ料を取りに店にやって来ました。
地元のちんぴら、「お金用意してあるんだろうな?」
店長、「申し訳ありませんが、お支払いできません」
地元のちんぴら、「何だとこの野郎!」
と言って、弟の胸倉を掴み、左の頬を平手打ちしました。(これがこのちんぴらの間違いでした)
警察の迅速な処置
この報告を受けた私は、直ちに弟の店の地域を管轄する警視庁M署の暴対担当者と面会しました。
事情の説明を行ったうえで至急の対策をお願いしました。
警察は暴対法と暴力団排除条例という「錦の御旗」があり、直ちに行動に移し、その日のうちに問題は解決しました。
警察、「オタクのちんぴらが市民に暴力を振るった。今後このような行為があれば組を潰す」と組長に伝えたそうです。
もちろんそれからは、いかなる暴力団も接触してくることはなく、何事もなく10年ほど営業を続けることができました。
暴対法(暴力団対策法)が施工されてからは、暴力団からの「お礼参り」は激減しました。
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