【ヤマト運輸のクロネコメイトが14年間で22,956冊のダイレクトメールを未配達】繰り返される事件の理由

ヤマト運輸のクロネコメール(ダイレクトメール)、およそ23,000冊が未配達で放置されていた、と報道された。

 

しかも14年に亘ってのことだから意図的に配達をしていない。

 

ヤマト運輸が公表したこのニュースに対し、世間では「またヤマト運輸がしでかした」と思う人も多いのではないだろうか?

 

配達業者はヤマト運輸から荷物を預かって配達することで対価として報酬を得る訳だから本来配達しなければならない荷物を配達していない行為は詐欺とか横領と言われても致し方ない。

 

だが、管理する側のヤマト運輸もクロネコメールの未配達事件は繰り返し起こっている。

 

今回は岐阜県での出来事だが、全国各地でクロネコメールの未配達事件が起きるのは、何処かに構造的な欠陥があるとしか思えないし事件が起きても謝罪して終わりのヤマト運輸にも問題がある。

今回の事件から半年しか経っていないのに山口県萩市にある萩椿東センターで同様の事件が起こっている。➔ ヤマトメール便1万3千通届けず 配達員宅から見つかるcheck (2019年7月21日更新)

 

ダイレクトメールの配達優先順位は低い

 

この事件の背景には2つの問題があると考えられる。

 

一つ目は、ダイレクトメールの配達優先順位が低いことが挙げられる。

 

クロネコメールの依頼主である企業としては大切な宣伝活動であることは間違いないのだが、受け取る側はダイレクトメールが来ることは知らないことが多い。送られてきても身に覚えのないダイレクトメールなんていくらでもある。

 

送られてきても開封さえせずにゴミ箱に捨ててしまう人も多いのではないだろうか?

 

一般の荷物であれば開封せずにゴミ箱へ捨てるなんて到底考えられないことだが、ダイレクトメールの場合は送られる側が知らないことが多いので、出荷人もダイレクトメールが荷受人に届いているかどうか?もわからないことが多い。原則、ポスト投函なので安い運賃設定になっている。

 

もう一つの問題は人手不足の問題がある。

 

相手が受け取ったのか分からない荷物であっても、送る企業側としては経費をかけて依頼している。

 

ヤマト運輸としても責任をもって配送しなければならないのだが、物流業界は慢性的な人手不足問題がある。

 

ヤマト運輸の慢性的な人手不足事情で配達日数に余裕のあるダイレクトメールの配達は後回しになりがちで、社員が配達せずに業務委託で配達していることが多い。

 

こんな言い方は語弊があるかもしれないが、受領印を必要とする荷物に比べポストに投函するだけなので配達難易度は低い。したがってクロネコメール専門で配達しているドライバー(配達ドライバーは車、自転車、バイク、徒歩など様々な手段で配達している)のレベル(配達能力と仕事に対する取り組み方)は個人差が均一化されてないレベルの低いドライバーも多い。

 

クロネコメイトとは?

 

今回の事件はクロネコメイトが起こした事件だ。クロネコメイトとはダイレクトメール専門の配達員で受領印を必要とする宅配便の配達ではなく、配達はポスティング方式だ。

 

本来なら配達はポスト投函が多く荷受人が在宅かどうか?も関係ないので配達する難易度は低い。

 

だが、クロネコメイトも人手不足である点は同様なので、一人で配達できる許容量を超えている場合もあり得る。

 

そこで「ポスト投函だからバレないし大丈夫だろう?」とのことで未配達となり、本当にバレなかったから積もり積もって何年もの間、このようなことがそのまま放置されていたものと考えられる。

 

宅急便であれば荷物が届いていないとなればすぐにでも営業所に連絡が来るが、ダイレクトメールは企業側としても把握出来ないことが多い。

 

お客様から反応がないとしても、「届いていない」のか?「見たが興味は持たれなかった」のか?さすがに把握出来ないだろう。

 

こういう事情は事件を起こしたクロネコメイトも承知していたからこそ、未配達を繰り返していたのだろう。

 

問題解決のためには?

 

この問題を解決するためには人手不足問題の解決はもちろんだが、配達員が「配達しなくてもバレない」といった環境を改善してマニュアル化する必要がある。

 

ポスティングで配達という手法そのものがアナログなものであり、どうしても細かなチェックが難しい。

 

企業側としても一通一通「届きましたか?」と確認するとなれば手間がかかるし、そもそもそのような手間をかけるくらいであれば初めから電話すれば済むことだ。

 

結局のところダイレクトメールを配達する配達員のモラルの向上に委ねられる。バレる可能性が低くても、仕事だからと思えるか、あるいは「じゃあどっかに捨ててもいいんじゃないか?」と考えるかは、結局は配達員のモラル次第だ。

 

賃金を上げたとしても、「賃金を上げてもらったから頑張ろう」と思うか、それとも「これでサボったときの旨味が増した」と考えるのかは、結局は当人次第だ。

 

ヤマト運輸のセンターは管理者で温度差がある

 

ヤマト運輸や佐川急便には正社員を目指しているドライバーは多い。

 

企業側が設定するルールに対して責任感を持つのは、会社のためにというよりも自分のためにという気持ちが強いだろう。

 

しかし、クロネコメイトはパートだ。短時間のポスティングスタッフを「クロネコメイト」と称しているのであって、仕事が嫌になったらいつでも辞めると考えているスタッフが殆んどだ。だが、パートであってもヤマト運輸のスタッフであることに違いない。

 

今回の事件は、ヤマト運輸の各センターで温度差が浮き彫りになった事件と言える。問題を起こすセンターは何かしらの理由がある。問題を起こさないセンターはクロネコメイトがダイレクトメールを未配達しないようセンター独自のマニュアルを作ったりしている。管理者側のレベルの問題だろう。

 

一方で、企業はダイレクトメールという手法そのものを見直す時期にきているのではないか?とも思う。配送品質が悪い(誤配、未配達が発生し易い)上に本人に届いているのか?どうかもわからない。

 

ヤマト運輸としては売り上げの一部になっているわけだから低単価の荷物が未配達でも何か問われれば、「低単価だから補償は出来ません」で今までもまかり通って来た。

 

ネットの時代に、敢えて紙でのダイレクトメールにこだわっているのかもしれないが、荷受人に届いているかもわからない広告の意味があるのか?と思う。一般的にはメールの開封率(9~10%)ダイレクトメールの開封率(60~70%)と言われているが電話、LINE等様々な手段がある。

 

近い将来、ダイレクトメールは過去の産物となる日も遠くはないだろう。

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