【小規模の軽貨物運送会社の仕事が危険な理由】「代表が売上金を持って行方をくらます手口」代走、営業主任奮闘編②

佐川急便で営業主任をしていた頃、たまに聞く噂話があった。

I運行管理主任、「〇△会社、サポーターへの支払いが滞っているらしいよ」

Y運行管理係長、「岡本、班のこと良く見ておけよ」

岡本、「…はい」

岡本、「(心の中)よく見ておけよ、と言われても何を見ておくんだ?」

この頃は、Y運行管理係長の言っている事が良くわからなかったが

営業係長になった頃には自ずとリスクに対する備えの考え方も理解出来るようになっていた。

佐川急便は委託会社の事なのでサポーターへの支払い義務などは負ったりはしないが

〇△会社の代表が売上金を持って行方が分からなくなってしまうと

その会社に所属しているサポーターがどこかの会社に移籍して仕事を続けてくれれば営業所としては問題ないが

移籍したタイミングで仕事を辞めたり違う仕事をすることになると問題になる。

それが、年末の繁忙期前なら致命傷になる事も在り得る。

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小規模の運送会社が売上金を持ってトンズラ、は良くある話

私が佐川急便に入社して5年経った頃(平成12年頃)くらいから宅配が爆発的に増えてきたと記憶している。

私が入社した時は、市で1台しか宅配ドライバー(サポーター)が稼働していなかった。

それから数年後には市で十数台サポーターが稼働するようになる。

当時は、「宅配を配達できる人」は引く手数多(ひくてあまた)で

宅配に限らず企業の配達でも1個250円、朝一配達のTOP便の配達は1個500円、という時代だった。

だから、小規模の得体の知れない運送会社でも参入できた。

ある日、数人の愛想の良いおじさんが営業所に来て係長や課長と話していて

数日経つと何処かの地域でサポーターをしている。

そして、数カ月~数年経った頃、サポーターが稼いだ売上金を持って、時には本来なら佐川急便に納めなければならない荷物の代引き金を持って行方不明

という事案が定期的に起きた。

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末締めの翌々末支払い、という会社では絶対に仕事をしない方が良い

売上金を持って行方不明になる会社の特徴として

給料の支払いサイクルが必ずと言っていいほど末締めの翌々末支払いだった。

60日後に給料を支払いますよ、という会社だ。

この手口で何人もの佐川急便のサーポーターが泣きを見ているのを知っている。

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「代表は良い人だよ」と「代表が信用出来る人なのか?」は別の話

とある佐川急便のサポーターさんの話

O宅配サポーター、「岡本さん、社長と連絡が取れないんですよ」

岡本、「…そうなの?」

O宅配サポーター、「給料が振り込まれないんで一昨日から連絡しているんですけど…」

岡本、「…Oさんの会社、支払いサイクルは?」

O宅配サポーター、「末締めの翌々末振り込みです」

数日後

岡本、「Oさん、宅配会社、変わったの?」

O宅配サポーター、「そうなんですよ…決局、社長と連絡取れなくて」

岡本、「…そうなんだ…」

O宅配サポーター、「社長、良い人だったんですけどね~、まさかこんな事する人だとは…」

岡本、「…」

岡本、「(心の中)2か月分の給料持って行かれて…何て呑気(のんき)な…」

後にOさんに聞いた話では

Oさんと売上金を持って行方をくらました代表とは、数年前に宅配の仕事をするようになった頃からの知り合いで、

仕事のイロハを教えてもらった師匠のような人だという。

同様の話を佐川急便在職中、何度か聞いたことがあった。

代表と数人でやっているような小規模の運送会社は、果たして自分の稼いだお金を預けておける会社なのか?

という事を仕事をする前に考えなければならない。

後で泣きを見て自分が自己破産する事にも成り兼ねない。

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