ヤマト、年始のおせち1268個が…冷凍と冷蔵を間違えたその理由とは?

年末年始の風物詩と言えば近年はおせちだろう。

 

おせちもまた、通販で購入する時代が到来しており、おかげで運送業者もおせちの宅配が増えている。

 

個人宅への宅配はもちろんだが、おせち関連の運送など、年末年始も忙しいものだ。

 

かつて年末年始と言えば運送業界はどちらかといえば落ち着いた日々を送っていたものの、昨今のおせちの通販事業への進出のおかげで嬉しい悲鳴…どころか本当に悲鳴を上げている業者も珍しくないが、今回はヤマトが思わぬ形で利用者に悲鳴を上げさせることになってしまった。

 

おせちの冷蔵と冷凍を間違えた…

北海道に届ける1,268個のおせちは本来であれば「冷凍」であったものの、「冷蔵」で運んでしまったためにお客に届けることができなくなってしまったとのこと。

 

ヤマトの発表によると、荷物は福岡県の業者がインターネットを通じて消費者に販売したもので、福岡を出発した際には冷凍だったものの、埼玉で中継した際、温度管理を間違えて冷蔵となってしまったとのこと。

 

冷蔵と冷凍を?と思うかもしれないが、今回の件は少々同情すべき部分もある。

なぜ冷凍と冷蔵を間違えるのか

冷凍と冷蔵を間違える理由とは何かを探る前に、冷蔵・冷凍含めていわゆる「クール宅急便」がどのように運ばれているのかと言えば、実はかなりアナログだ。

 

クール宅急便の仕分けはクール宅急便専用の荷物仕分け作業場で行われるのだが、実はこれは同じ部屋だ。

 

つまり、仕分けの段階では冷蔵も冷凍も同じ部屋で行われている。

 

もちろん冷蔵と冷凍は時間を区切るなどして混ざらないよう配慮はしているが、基本的には同じ場所で仕分け作業が行われている。

 

そして、「クールボックス」と呼ばれる銀色のボックスに入れるのだが、冷蔵も冷凍も同じタイプのボックスを使う。

 

つまり、荷物を運べと指示されているだけのドライバーはクールボックスが冷蔵なのか冷凍なのか、見た目だけで判断することはできない。

 

一応クールボックスに「冷凍」「冷蔵」のシールを貼ることになっているものの、ガムテープで張り付けるとてもアナログなものなので、風に晒されてしまい、目の前にあるクールボックスが冷蔵なのか冷凍なのか分からなくなってしまうことは、ヤマトの中ではよくある話だ。

 

冷凍と冷蔵のコントロールとは?

さらに、冷蔵と冷凍のコントロール。

 

これもまた、実はかなりアナログだ。

 

世間からすると、ヤマトという大企業である以上、トラックに電源が付いて冷やしながら運搬しているのだろうと思うかもしれないが、残念ながらいくらヤマトでもそこまで高性能なトラックなど保有していない。

 

それどころか行き先や荷物量次第ではクールボックスと一般宅配便が同じトラックで運ばれることも珍しくない。

 

もちろんこれはヤマトとしても「知られたくない事実」ではなく、ましてやクールの荷物を素知らぬ顔で常温のトラックに入れている訳でもない。

 

それでもなぜ「クール便」が成り立っているのかといえば、トラックではなく、クールボックスに秘密がある。

 

こちらはトラックに入れる前に電気の力で冷蔵・冷凍できる。

 

荷物の仕分けが終わったクールボックスはトラックが来るまでクールの仕分け作業場で電気を供給する。

 

冷凍の場合、さらに冷凍専用の保管場所があるのでそちらで保管する形となる。

 

しかし、トラックに入れる際には電源から外す。

 

ではどうやって冷気を保つのかと言えば、保冷剤なのだ。

 

冷凍にせよ冷蔵にせよ、行き先までの距離から、どれくらいの数の保冷剤を入れれば良いのかを考える。

 

つまり、ここはいわば社員たちの目分量となる。

 

ヤマトは何かを隠しているのではないかという疑問

一つの例として、関東からトラックが出るとしよう。

 

栃木や茨城といった北関東に運ぶのであれば保冷剤もそこまで多くする必要はない。

 

しかし九州であれば時間もかかるので保冷剤も多めに入れなければならない。

 

ましてや北海道の場合、陸送ではなく、今回のようにどこかで中継するケースが多い。

 

さすがにトラックで北海道までというケースはそうそう有り得ない。

 

だが、中継先の埼玉でクールボックスを開けて保冷剤を追加するという話は聞いたことがない。

 

そもそも、中継の際、クールボックスの中身を開けるという事例がそうそうない。

 

私が関東の主管支店に従事していたので遠距離の事情に疎いのかもしれないが、関東の主管支店で中継する場合、基本的にトラックの荷物を受け渡すだけで、そこでクールの保冷剤を追加することなど聞いたことがない。

 

考えられるとすれば、クールボックスの中の荷物があまり入っていないので、埼玉でのクールの仕分けで博多から運ばれてきたクールボックスにさらに荷物を入れようとして、そこで冷凍と冷蔵を間違えた…だろう。

 

今回のミスで本来食べる日におせちを食べることができなくなってしまった人は御気の毒としか言いようがないのだが、個人的に、ヤマトはまだ何かを隠しているのではないか…という気持ちが強い。

 

それが白日の下にさらされる日はないだろうが…。

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6 件のコメント

  • てっきり冷凍車で運んでるものだと思ってました。
    ガムテープとか保冷剤とか、いくらなんでもアナログすぎるように感じます。
    現場に丸投げで済ましてしまう会社体質なんでしょうか?

    • P532さん

      新年明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。
      コメント本当にありがとうございます。
      ヤマト運輸や佐川急便では、常温の荷物、冷蔵の荷物、冷凍の荷物と温度管理が必要な荷物は3便種あります。
      宅配専用の冷凍車もありますが、冷凍の荷物が増えるのは年末に限られるので企業は費用対効果という面で冷凍車の台数を多くしていないというのが現状です。
      運送会社も進化はしておりますが基本手作業なので冷凍を冷蔵に間違えるといったミスも起こります。(現場ではこのミスを限りなくゼロにしようと努力をしています。)
      商品を注文したお客様からすれば許される問題ではないでしょう。
      私が佐川急便に勤めていたころクール便の利益率は悪いと聞いていました。
      保冷車、保冷庫、保冷剤、人員の確保などコストが掛かり過ぎて運送会社の中でもヤマト運輸、佐川急便、日本郵政など限られた運送会社しかクール便を扱っていないのが現状です。
      運送会社の擁護をするつもりはありませんが、この3社には前時代的な日本の物流を進化させなければならないという自負があるように思えます。(利益だけを追い求めればクール便はやめてもいいが日本の物流を進化させるという面で手を引けない。)
      時代の進化に運送業がついていけてないというのが現状だと思います。

      お正月からコメント本当に、ありがとうございます!
      私が知っている限りの情報をお伝えして、お役に立てればと思っております。
      今後ともよろしくお願いします。(お正月はこんな堅苦しい記事読んでくれない人が多い中、読んでくださって本当にありがとうございます!現在、私も含めて3人のライターさんで記事を執筆していますので今後も様々なテーマの記事を書いていきます。また、コメント下さいね!)

  • 佐川ヤマトがクールを撤退しても、困るのは世間でしょうね。
    本当、運送会社の社会的責任としてやってる様な物です。
    因みに30日は30個位冷凍おせち配達しましたよ。

    • 飛脚君さん

      新年明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。
      いつもコメント本当にありがとうございます。
      そうですよね!佐川急便、ヤマト運輸、日本郵政などの運送会社やそこで働いている従業員を悪く思っている人もいますが、大手企業は利益を追い求めることは当然ですが、社会的責任の為に採算度外視でやっている仕事もあります。
      個人的な意見ですが、ヤマト運輸のベースで仕分けをしている人も派遣の人や外国人労働者など現場に慣れない人も多いので、人為的なミスは一定の確率でこれからも起こると思います。
      運送の仕事をするって素晴らしいことだと思いますよ!

      お正月からコメント本当に、ありがとうございます!
      私が知っている限りの情報をお伝えして、お役に立てればと思っております。
      今後ともよろしくお願いします。(冷凍おせち30個ですか!やりますね!佐川急便は周りが年末モードの時にまだまだ気が抜けない仕事ですから31日を終えるとホッとしますよね!)

  • 新年、明けましておめでとうございます。
    詳細なコメントをありがとうございます。

    自営で軽貨物運送業を検討中です。
    第1希望はルート配送ですが、宅配も視野に入れています。
    貴ブログはとても参考になります。

    • P532さん

      そうでしたか! 軽貨物運送業検討中ですか! 私もヤマト運輸で委託の仕事をしているので良いと思いますよ!
      ルート配送も宅配も両方やっていたんでどちらが稼げるのか?といえば
      端的に言うと両方ともメリットとデメリットがあります。

      ・ 宅配 メリット  仕事に慣れていれば稼ぎが良い。
                 走行距離を抑えられるのでコストが掛からない。
           デメリット 150~200くらい配完させようとすると結構体がきつい。
                 
      ・ ルート配送
           メリット  運転が好きな人なら体がきつくないので仕事がし易い。
                 様々な仕事を組み合わせられるのでやりがいがある。(宅配は、毎日同じ時間に同じことをしているので飽きてくる)
           デメリット 走行距離が増えるのでコストが掛かる。

      個人的な意見ですが、宅配をやる場合は運送会社に属さないで自分で黒ナンバーの車を所有して大手運送会社の仕事をしたほうが良いです。
      業務委託という性質上、取引先の都合で仕事の内容が変わることもあるかもしれませんが、やりがいはあると思いますよ!
      今までの記事のコメント欄に様々な内容を書き込んでいるので参考にしていただければ幸いです。
      わからないことがあったら気軽にご連絡下さい。
      コメントいただき本当にありがとうございます。

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