平成6年6月6日に佐川急便に入社して、悪戦苦闘の末コースドライバーになり、ある程度認められて代走をすることになった。
代走をするようになって2~3年経った頃、「大型免許を取ろう」と思った。
佐川急便の社員として毎日トラックに乗っていると「俺は将来このまま佐川急便で稼いでいけるのだろうか?」と不安に思う時がある。
どこの会社でもそうだが、会社で働いていると生き方を選択しなければならない時が来る。
① 自分がどんなポジションでも定年まで同じ会社で働く
② 自らが選択して会社を辞める決断をする
③ ある出来事がきっかけになって会社を去る(去らなければならない)
私は、最終的に佐川急便を退職したのは②、③に該当したわけだが(事故を起こして会社を去る)
岡本、「(心の中)このまま佐川急便のドライバーを続けていたら重大人身事故を起こして交通刑務所のお世話になるかもしれないな?」という不安は年々増すばかりだった。
特に毎日のように乗るコースが変わる代走は、リスクが非常に高い仕事だと思っていた。
大型免許取るの?簡単だよ!
佐川急便は平日に休みやすい会社だったので試験の予約をすることは容易だった。
20年くらい前は、中型免許という区分もなかったので、普通免許を取得して3年経っていれば大型免許は試験場での一発試験を受けて取得が出来た。
佐川急便の先輩で大型免許を取得している人はそれほど多くはなかった。
大型免許を取得している先輩に聞くと
W主任、「今度、大型免許取るの? 府中だろ?」
岡本、「はい、取っておこうかと思って」
W主任、「簡単だよ! 毎日、運転しているんだし! 俺は一回で受かったよ」
一般的には大型免許の一発試験は、それほど難しくはないけど簡単でもないと言われている。
岡本、「(心の中)簡単? ま~、毎日、運転しているんだし一発合格して当然だよな」
そんな風に思っていた。
なぜ?不合格になったのか?がわからない
一発試験の当日になった。
試験参加者は手続きをして試験のルールが説明された。
この段階でこのルール説明がとても重要な事だと思っていなかった。
岡本、「(心の中)俺は佐川急便のドライバーだよ。普通に運転していれば合格出来ないわけがないじゃないか」
だから、試験のルール説明も聞いているようで大して聞いていなかった。
佐川急便のドライバーとして多くを学んだ自負がある。
岡本、「(心の中)そうだ!指差呼称確認をして優秀なドライバーという事を教官に見せつけてやろう」(試験のルールを無視して独自のルールを作るバカな発想)
岡本、「(心の中)アピールだな!うん。それでいこう」
試験が始まった。
右折する時
岡本、「右よし、左よし、前方よし、歩行者、よし」
岡本、「(心の中)完璧だな」
試験場教官、「……」
3分ぐらい運転していると
試験場教官、「え~と、次の交差点を左折して下さい。今日はこれで終わりです」
岡本、「はい。(心の中)あれ?まだコース廻りきっていないけど?」
岡本、「ま~、運転技術はわかったからもう運転しなくて良いよ!ということかな?」
不合格だった。
岡本、「(心の中)???、何で?不合格なんだ?完璧な指差呼称と運転だったよな」
なぜ?不合格なのかがわからない。
2回目の試験も同じことをして不合格になった。
試験に合格している先輩にポイントを聞いた
岡本、「大型の一発試験、落ちたんですよ」(2度落ちた、とは言えない)
W主任、「そうなのか?」
岡本、「合格するポイントありますか?」
W主任、「ギア変える時にクラッチを踏んで直ぐに離さないと減点になるらしいよ」
岡本、「どうしてわかるんですか?」
W主任、「教官はセンサーを見ていてわかるらしい」
岡本、「そうなんですか?」
W主任、「あと、40キロ道路では40キロ出さないと減点、時間内に試験コースを回らないとタイムオーバーで不合格になるみたい」
岡本、「…わかりました…」
岡本、「(心の中)W主任に言われたこと全部出来ていなかったな」
試験する前のルール説明で全部解説していたらしい。
岡本、「(心の中)俺は、本当にバカな奴だな。ルールを無視して独自のルールを作って…」
3度目の試験までは「クラッチ踏んでギア入れたら直ぐに離す」ことを意識して運転した。
3度目の試験でようやく合格した。
「そうだ!指差呼称確認をして優秀なドライバーという事を教官に見せつけてやろう」
こういうバカな発想をすることが度々ある。
岡本、「(心の中)最初の試験で合格するにはどうすればいいのか?」
岡本、「そうだ!指差呼称確認をして~」
と、いう発想になる。
これは自分の性格的な弱点で「合格した人にどうしたら合格出来たのか?」という事を聞かないで、
自分で妄想した挙句、変なルールを作って、不合格になる、失敗する、ということがあった。
些細な事でも新しいことをするときは、過去の自分の弱点を思い出して取り組むと早く道が開けるかもしれない。
運転でもそうだが、必ず弱点がある。
運転ではヒヤリハットが積み重なれば何十回、何百回に1回が重大な事故に繋がる恐れがある、と統計で証明されている。(何十回、何百回は個人差)
もしヒヤリハットを知らない人がいたら、ヒヤリハットの説明はコチラ
ヒヤリハット報告書の作成ガイド〜重大な事故は300のヒヤリハットに隠れている!? 〜
出典:https://blog.mcdata.plus/preparation/hiyari-hatto-guide/
自分の弱点を予め知っておく、という事はとても重要な事です。
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