個人宅への配達をしていると様々なことが起きる。
佐川急便の社員として配達をしていた時、佐川急便の業務委託として配達をしている時、ヤマト運輸の業務委託として配達をしていた時
そして、アマゾンフレックスなど大手運送会社に属さない形で配達をしている時
個人宅への配達、といっても所属する運送会社や配達する方法によって配達の面倒くささやクレームに違いがある。
アマゾンフレックスの配達は、配達伝票がなく、判取り不要、原則玄関前の置き配なので配達先のお客さんと接する機会が少ない。
だから、お客さんから受ける影響は少ない。
「(心の中)宅配は好きな仕事だけど、配達先でお客さんと話したりするのは苦手だな~」
なんて思っている人はアマゾンフレックスの仕事は向いているかもしれない。
お客さんA、「あなた、アマゾンの人?こないだ指定もしていないのに玄関前に荷物が置いてあったわよ」
なんて、暇なおばさんに捕まることも稀にあるが
岡本、「(少し不思議そうな顔をして)申し訳ありませんでした。配達のクレームに関してはコチラの電話番号にお問い合わせください」
と、サポートセンターの電話番号を知らせて
岡本、「自分も業務委託で仕事を請け負っていて任されるコースが毎日違うものですから…」
と、話せば
お客さんA、「あ~、そうなの?わかったわ!電話してみる」
と、解決する。
凄い罵声で罵る佐川急便が大嫌いなお客さん
佐川急便の業務委託として配達している時とヤマト運輸の業務委託として配達していた時とでは、配達先の対応が違う、と感じた時が度々あった。
佐川急便とヤマト運輸では営業所やセンターの数が違うから
佐川急便はヤマト運輸の配達品質に到底及ばない。(近年は佐川急便も営業所やセンターの数が多くなり配達品質が良くなっている)
今から7~8年前、佐川急便でナイト便の業務委託として配達していた時の話
K主任、「おかもっちゃん、このお客さんヤバいから19時~20時の間に必ず配達して」
岡本、「…わかりました」
その日は夜間の荷物だけで80個以上もあって、ヤバいお客さん宅に着いたのが19時55分頃になってしまった。
岡本、「(心の中)いや~、疲れた。何とか時間前にたどり着いた」
岡本、「(心の中)???怒鳴り声が聞こえるぞ」
都営アパートの4階の一室だったのでエレベーターを降りると凄い罵声が聞こえた。
岡本、「(心の中)やべ~」
配達先にたどり着く前に罵声が、ヤバいお客さんだと認識できた。
恐る恐る近づいて
岡本、「すいませ~ん、佐川急便です」
ヤバいお客さん、「あ?佐川か!ちょっと待っていろ」
岡本、「(心の中)待つ?何で?」
ヤバいお客さん、「お前ら、てめ~、配達が、おせ~…」
凄い口数でのマシンガン罵声で訳の分からない事を言っている。
年齢は30歳半ばくらいの男性だった。
先に標的にされていたのは郵政の配達員だった。
「待っていろ」から3~4分経った。
その間、郵政の配達員に向かって凄い剣幕(けんまく)で怒鳴っていた、と思ったら
ヤバいお客さん、「おい!佐川!なんで?遅れているんだよ!」
岡本、「???申し訳ありません。遅くなりましたが、配達時間は19時から20時の間、と聞いていたんで…」
ヤバいお客さん、「今、何時だと思っているんだよ!」
岡本、「(心の中)いやいや、あんたが説教しているから時間が過ぎているんだよ」
なんて、火に油を注ぐようなことは言えない。
佐川急便とヤマト運輸ではお客さんの印象は違う
郵政の配達員はタイミングよく佐川急便が配達に来たから無罪放免になった。
ヤマト運輸の配達員、「ヤマト運輸です~」
またまたタイミング悪くヤマトの配達員が配達に来た。
岡本、「(心の中)お!ラッキー!これで逃れられるぞ」
ヤバいお客さん、「お~、ヤマトさんか、ヤマトさんは良いよ、荷物ここに置いてくれ」
岡本、「(心の中)え?何故?自分より遅く配達に来てるじゃん」
ヤマト運輸の配達員、「すいません、では、コチラに荷物置かせていただきます」
ヤマト運輸の配達員は荷物を置くとそそくさと行ってしまった。
岡本、「(心の中)やべ~」
それから5分くらいヤバいお客さんのマシンガン罵声を受けた。
佐川の配達員(自分)が業務委託で仕事をしていると分かると
ヤバいお客さん、「てめ~じゃ話にならないから社員を呼べ」
岡本、「(心の中)まだ30件近く配達残っているから社員を呼んだ方が良いな」
「上司から連絡させる」という話をして無罪放免になった。
岡本、「K主任ですか?例のお客さんなんですけど、19時55分くらいに配達に行ったら、炎上して」
K主任、「…マジで?」
ヤバいお客さんの特徴は、夜間だというのに凄い大音量でマシンガンで撃たれるように罵声を浴びせ続けられる、というのが特徴だった。
過去の配達で佐川急便に裏切られたお客さんがヘビークレーマーになる
もし自分が佐川急便の制服ではなく、ヤマト運輸の制服を着て荷物を届けていたら何事もなかっただろう。
昔は、こういうお客さんがコースに何人かいた。
「佐川憎し」というお客さんが
翌日、K主任にお詫びをして聞いた。
岡本、「昨日、あの後どうだったんですか?」
K主任、「電話して、謝罪に行ったよ」
岡本、「すいません…」
K主任、「おかもっちゃんは悪くないよ。時間通りに行っているんだから」
K主任は、電話をして謝罪に行って、1時間説教されたという。
K主任がお客さんから解放されてセンターに着いたのが22時30分を過ぎていたという。
こういう質の悪いヘビークレーマーも昔からこうだった訳ではない。
ヘビークレーマーになる資質があるお客さんが、佐川急便の配達で覚醒してしまった。
「不在で再配達の連絡をしたが来ない」「時間指定の荷物を注文したが時間通りに来ない」などなど
様々な理由があると思う。
この手のクレーマーは、繁忙期でもないのに配達し切れなくて未配をする営業所やセンターの管轄地域に存在する。
昔の佐川急便は、日常的に繁忙期、という営業所が数多くあった。
毎日が繁忙期なので本当の繁忙期、年末や年度末は悲惨な毎日になる。
主管店では未配達の荷物が、大型トラック3台分、とか良く聞く話だった。
今回の話を推測すると
郵政の配達員は時間ではなく別の件でヤバいお客さんを炎上させたが、タイミング悪く「憎い佐川(自分)」が荷物を持って来たので更に怒り狂った。
こんな感じではないか?と思う。
一番の被害者は、K主任だろう。
現場で働く昔の佐川急便の主任や係長、課長、店長は、こういうストレスを毎日抱えながら働いていた。
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