【「月116時間の残業」と「パワハラ行為」】佐川急便のドライバーに労災認定

特に年配の方は「昔はこのくらい大丈夫だった」「昔は何も問題なかった」「昔からそうだった」と感じることは多々あるのではないだろうか。

 

そのため、急に「パワハラ」だ「セクハラ」と言われても戸惑う人も多い。

 

今回も上司とすれば「別におかしなことはしていない」と思っていたのだろうが、残念ながら裁判所により「労災」が認定されてしまった。

 

佐川急便ドライバーの悲痛な訴えとは?

 

訴えを起こした佐川急便のドライバーは「元」ではなく、現在も佐川急便に在籍している。

 

現在は休職中とのことだが、このドライバーは2009年に佐川急便に入社し、2011年からは埼玉県本庄市の営業所でドライバーとして勤務していた。

 

2013年12月、通勤途中に自転車で転倒事故を起こしたので、労災を申請しようとした。ところが労災申請をするのであれば荷物整理業務への配置転換をすると仄めかされたことから泣く泣く労災申請を断念した。

 

もちろん法律的には出勤・退勤中の事故であり、労災適用の範囲内なのでこのドライバーの申請は何ら問題はなかった。

 

その後2016年、事故によって負った膝の怪我が悪化したことで入院・手術にまで発展してしまった。

 

その際上司は同情するどころか「前も休んだよな」「(もし会社相手に何かをするなら)それなりの対応をするから覚悟しておけよ」など、半ば脅迫めいたことを言った。ドライバーから荷物整理への配置転換への同意を迫られることも多くなり、日に日にこのドライバーへの圧力が強くなっていったという。

 

因みに荷物整理の業務はドライバーよりもおよそ2割ほど収入が減る。さらにケガをした膝に負担がかかることから、このドライバーにとっては「嫌がらせ」行為そのものであった。

 

ドライバーとしての業務も過酷

 

その後もドライバーとしての業務を続けていたが、繁忙期に突入すると休憩時間など取れない状況であった。うつだと診断される1ヶ月前の時間外労働時間は116時間にも及んだ。

 

週に6日勤務で1ヶ月25日の勤務として場合、毎日4時間半残業していたことになる。

 

こうした労働は嫌がらせを続ける上司の下でのことであった。

 

このドライバーは結局、月116時間の時間外労働と上司とのトラブルに対し管轄の熊谷労基署から「労災認定」を受けることになった。

 

残業時間だけで「大変だ」と判断することはできないかもしれない。予め何時間働くか分かっている中での残業と、いつ終わるか(帰れるか)分からない状況ではドライバーの気持ちは全く変わってくる。

 

たまに残業するくらいであればともかく、毎日のように終わらない仕事に向き合うその精神的な苦痛は半端ナイものだったことだろう。

 

ましてや自分の直属の上司からは脅しとも取れる行為を受けていたのだ。

 

そのような環境の中で毎日いつ終わるか分からない仕事をこなしてきたことが労災として認定されるのも当然といえる。

 

一人だけじゃない?それが意味するものとは

 

ところが、この話はこれで終わりではない。

 

実はこのドライバーから依頼を受けた弁護士は、同じ営業所に務める従業員からも労災申請の件で依頼を受けていたとのことが判明した。

 

つまり、決してこのドライバーだけが特別な環境にあったのではなく、営業所の中ではいわば「悪しき慣習」がはびこっていたことになる。

 

「前はそうだった」という慣習から、「違反行為をしている」という意識などなく、当たり前のようにに行っていたのだろう。

 

上司としても、パワハラという意識よりも、「会社が訴えられたら困る」との思いからの言動だったのだろう。

 

何かを隠そうとすればするほど、結局は表に出てしまうものだ。

 

どの運送業界にとっても「対岸の火事」ではない

 

こういった話は、運送会社にとっては「対岸の火事」ではない。

 

佐川急便といえば運送業界でも大手企業だ。その佐川急便の営業所でこのようなことが起きているのだ。

 

むしろ佐川急便という大きな会社だからこそ、こうして大きく扱われているのであって、小さな運送会社ではこの手の話は日常茶飯事なのかもしれない。今回のニュースを見て「このくらいで労災なら俺なんてどうなるんだ?」と自虐的に感じるドライバー多くいるのではなかろうか。

 

ヤマト運輸や佐川急便は運送会社の大手として、時代の流れと共に法整備を整えつつある。労働力不足も手伝い、ヤマト運輸は未払いだった残業代の支払いまで行った。

 

こういった話はドライバー側としては有難いことだろう。

 

しかし、まだまだ「大手企業のみ」が対応しているだけであって、中小の運送会社の場合、そういった「時代と法律」に準拠していたら営業が立ち行かなくなる会社もあるだろう。

 

仮に残業代を支払っていたら会社が成り立たないという運送会社は、この先生き残れないであろう。

 

様々な局面で、「昔はこのくらい大丈夫だった」「昔からそうだった」などはもはや通用しなくなっていることを認識しなければならない時代になった。。

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2 件のコメント

  • 佐川急便も残業未払いをやりましたけど、未払いがあると申請すると毎日強烈なパワハラ三昧でしたね。
    結局は全員未払いが有るにも関わらず、未払い申請したのは1割未満だと思います。

    • 飛脚君さん

      いつもコメント、本当にありがとうございます!
      残業の未払い申請でパワハラ!? マジっすか?
      私は、ヤマト運輸の委託の仕事をしていますが、ヤマト運輸では未払い申請は自己申告で社歴の長いドライバーは数百万ゲットしたと言ってました。
      残念ながら仕事のし易さという点で、ヤマト運輸の方が佐川急便より勝っているように思えます。

      いつもコメント、本当にありがとうございます!
      私が知っている限りの情報をお伝えして、お役に立てればと思っております。
      今後とも、よろしくお願いします。(今年の年末の物量はどうですか? 平和ですか? 私は3か月くらい前にアマゾンがゴッソリ無くなって(SBSという物流会社が仕切って配達しています。➔ 寄せ集めドライバーばかりなので配送品質は最悪らしいです。)昨年に比べてまったりと配達しています。(稼げないですが・・・) 今年も残り半月ですね! 平成最後の年末、風邪など引かないでお互い良いフィニッシュしましょう!

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