【運送業界人手不足解消の切り札】ヤマト運輸と福山通運がダブル連結トラック・隊列走行の実験

物流業界は深刻なドライバー不足に悩んでいる。特に「大型ドライバー」が不足しているという。

 

ご多聞に漏れずタクシー業界にもドライバー不足と高齢化の大きな波が押し寄せている。タクシー業界では2018年2月にはAIタクシーの導入を開始し、人手不足を少しでも解消しようとする動きが始まった。

 

国土交通省はトラック業界の人手不足解消の切り札として、「ダブル連結トラック」や「隊列走行」などの実験を行っている。

 

今回は物流業界、特に大型トラックの人手不足に焦点を当て、問題解決の切り札とも言える方策について切り込んで行く。

 

物流業界の人手不足

 

現在、物流業界では深刻なドライバー不足と併せ高齢化という問題が発生しているという。その背景には、幾つかの要因が考えられる。

 

ガソリン価格の高騰による物流業界の業績悪化。法改正による規制の強化。インターネット通販などによる少量多品種。好景気な建設業界への若年労働者の流出などの理由が挙げられる。

 

国土交通省もこうした問題を重く受け止め、新たな施策の検討を行っている。

 

「ダブル連結トラック」とは?

 

国土交通省が施策のひとつとして導入を進めているのが、「ダブル連結トラック」である。これは1台で通常の大型トラック2台分の輸送を可能にする2台連結トラックのこと。

 

2019年1月29日、同省は「ダブル連結トラック」の導入を図るため、特殊車両通行の許可基準を緩和し、新東名を中心にダブル連結トラックの本格導入をスタートした。

 

その趣旨は、ダブル連結トラックを始めとするフルトレーラ連結車の車両長の限度を、現行の21mから25mへ緩和するものである。

 

福山通運のダブル連結トラック実験

 

物流業界大手の福山通運は、2017年10月16日、日本初となる全長25mの「ダブル連結トラック」の運行実験を行っている。愛知県北名古屋市と静岡県裾野市の同社の事業所間での実験であった。

 

通常の大型トラックの長さは12mで、その荷台部分を連結したもので、全長25mというのは、N700系の新幹線の中間車両1台分に相当するという。

 

連結トラックの運転には「牽引免許」も必要とのこと。福山通運は今回、国とメーカーと同社の3社で全長25mになるトレーラを開発し、事前に走行させるルート及び特殊車両通行許可を取り付けていた。

 

今回の実験は、国土交通省が2016年秋から進めている「ダブル連結トラック実験」の一環として行われたもので、日本梱包、ヤマト運輸と福山通運が実証実験を行っているとのことである。

 

「隊列走行」とは

 

隊列走行とは、実用日本語表現辞典によれば「組織された複数の自動車などが、列をなして走行すること」を意味する。

 

「自動運転(オートパイロット)技術の実験の一環として、複数のロボットカーが列をなして走行することを指すことが多い」と定義している。

 

国土交通省のHPによれば、「2020年高速道路での後続無人隊列走行を実現するため、車両の技術開発を自動車メーカーに促すとともに、貨物輸送事業者の意向・ニーズを把握し、事業として成立・継続するために必要な要件・枠組みについて、自動車メーカー、貨物輸送事業者と連携しながら検討を進める」としている。

 

隊列走行の将来の実現イメージとは

 

① 先頭車両にはドライバーが乗車し、有人トラックを運転する

② 先頭車両と後続車両を電子的に連結することで隊列を形成

③ 後続車両は自動走行システムを使って無人走行

④ 3台目以降の後続車両も電子的な連結と自動走行システムを使って無人走行。

 

先頭を走る車両のイメージは、大型25トンカーゴトラックとのことである。

 

2018年1月には、後続のトラックにドライバーが乗車した実験を行った。そして、2019年1月にはドライバーが乗車した状態で、後続車両微塵隊列システムの実験を行っている。

 

今後の展望

 

ダブル連結トラックの場合は、連結車両の開発・法律の改正・連結トラック牽引免許保持者の育成などの課題が残されている。

 

また、隊列走行については、無人走行システムの開発などの課題が残されている。

 

ダブル連結トラックの場合は、1人で2人分、隊列走行が実現できれば、3人分の労働力が確保されることになる。

 

システムの開発と併せて求められること

 

トラック業界の人手不足の原因には、トラックドライバーの収入が低過ぎることも挙がられる。

 

トラック野郎は「危険・きつい・汚い」の3K職場ではあったがそれなりに他の職業よりも賃金が高い時代もあった。

 

それがいつの間にか収入も減り、若者たちはより給与の高い業界に流れて行った。

 

従って、ここに「人手不足の解消」のためにはドライバーの賃金という根本的な問題にもメスを入れる必要が出てくる。

 

業界はシステムの開発はもちろんのこと、この課題にも真剣に取り組まなければならないことも忘れないでもらいたい。

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