【佐川急便東京営業所が家宅捜索】事故、違反をした営業店の店長は翌日の朝に罰ゲーム!

2016年9月、運送業界を震撼させた大事件が起きた。

「佐川急便 東京営業所に家宅捜索が入る!」

私は、当時、そのニュースを運転中ラジオで聞いて仰天し、事件の顛末を聞き「ついに、起きてしまったか・・・」と、思った。

社員が、駐車違反逃れをしようとして代理出頭させた事が原因だ。

事件の概要は、宅配便大手「佐川急便」の社員で、東京営業所(東京・江東)に所属する運転手が、勤務中に駐車違反した際、身代わりで別人を出頭させた疑いが強まった。

警視庁交通捜査課は、16日、道交法違反や犯人隠避教唆などの疑いで同営業所を家宅捜索した。

複数の社員が、身代わり出頭をさせた疑いがあり、同課は、押収した資料を分析して、社員らの事情聴取も進め、不正の実態解明を急いでいる。とは、当時の日本経済新聞の1面だ。

身代わり出頭問題は、都内8営業所、106人の検挙者を出した大事件になってしまいました。(2017年3月3日現在)

私は、このニュースを聞いて、思い出した事がある。

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営業店でも事故、違反は隠蔽するのが当たり前だった!

10年前の、年末のある日、あるセールスドライバーが、会社構内で事故を起こした。

事故の内容は、Nドライバーは、配達・集荷を終わり帰社後、トラックの中で伝票整理など帰る準備をしていた際、(時間は、23時30分頃)エンジンをかけたまま左足はクラッチに、右足はアクセルを踏んだまま寝てしまった。

結果、トラックは自走し会社構内の電柱に衝突、営業車のフロント、及び、窓ガラスを大破させた事故だった。

翌朝、私は、出社して事故の内容を聞いて、その信じられない事故を何度か聞き返したのを覚えている。

Y運行管理係長、「また、Nが、やったぞ!」

Nとは、係の問題児ドライバーNのことだ。

彼は、何度となくここぞというときに問題を起こしてくれる。

今回も、年末、繁忙期、猫の手も借りたい最中に起こった。

岡本、「どうしたんですか?」

Y運行管理係長、「構内、自走事故だよ!」

岡本、「え、・・・???」

岡本、事故の概要を聞いて、「(心の中)あいつだったら、やりかねないな・・・」

それから、2時間経った頃、Y運行管理係長に呼ばれた。

Y運行管理係長、「昨日のNの事故、アレな~、無かったことで・・・」

岡本、「え、???・・・お咎めなしですか?」

Y運行管理係長、「本社に、・・・、報告出来ないだろ・・・」

岡本、「・・・・・・、(心の中)またかよ・・・」

どの営業所でも、何か問題(事故、違反)が起こると、その問題を隠蔽しようとする体質がある。

問題が起きた時に、そのことを本社に報告するかどうかは、営業所での最終的な判断は、店長の裁量ではあるが正直に問題が起きたことを報告している店長は、店長から降格になり、うまいこと問題が起きたことを隠蔽出来た店長が出世する。

当時、私が尊敬していた店長は、問題を隠蔽するのが嫌いな店長で上層部にも喰ってかかるような男気のある店長ではあったが・・・

年末、最繁忙期の猫の手も借りたい時期で、一人のドライバーを「下車勤務」にしなければならないことと、つい2週間前にも違反をしたドライバーの報告に本社に行っていた。

おそらく苦渋の決断だったと思う。

当時、営業店の店長は、事故・違反が起こると朝6時30分に本社(東京営業所)に出社して、地域を統括する部長にその概要を報告していた。

佐川急便では店長に罰ゲームを与えることで事故・違反の抑止力になると考えていたらしいが(いかにも体育会系の発想「野球部で水を飲むのは疲れるから水を飲ますな!みたいな・・・」こういった隠蔽体質が大事件に発展してしまう。現場を知っているドライバーや管理職からすれば「あ~、やっぱり起きたか!」という必然の出来事だったと思う。

佐川急便のOBであることが、恥ずかしいと思うような会社になって欲しくない!

佐川急便の隠蔽体質は、ドライバーから管理職、上層部、そして、係長時代の私も数多くの問題を隠蔽してきた。

その集大成が、この事件のように思う。

私が佐川急便を退社して5年経つが、私を育ててくれた佐川急便には愛着もあるし恩もあると思っている。

だから、佐川急便には、佐川急便OBとして誇れるような良い報せを聞きたいと切に願う。

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