【アマゾンの荷物が届かない】デリバリープロバイダって何だ?

アマゾンといえば「日本の物流を変えた」「世界の新しいショッピングスタイルだ」など、賞賛の声は多い。確かにアマゾンのおかげで通販サイトに活気があるのは事実だ。

また、それまで通販サイトに対して懐疑的だったものの、アマゾンの躍進を見て通販に本腰を入れた日本の企業も多々あると思われる。

だがそれはアマゾンのみが凄かった訳ではない。

アマゾンという外資企業が特有の合理性により、これまで日本の企業が善意、良識、伝統等から求めてこなかったものを破壊したに過ぎない。

その結果、ネットで商品を安くしかも速く購入できるようになり、消費者にとっての利便性が各段に向上した。その裏で、物流の世界で働くドライバーは益々忙しくなっていった。

今まではヤマト運輸や日本郵便などがアマゾンの荷物を運んでいたが、ここにきて「デリバリープロバイダ(以下DP)」と呼ばれる業者が参入してきた。(アマゾンが契約している地場の運送会社)

デリバリープロバイダについてとても分かり易い説明をされている記事を見つけたので参考にして下さい。➔ デリバリープロバイダって何?追跡方法やアマゾンで買い物する時の注意点check

上記記事でも指摘されているようにアマゾンと契約したDPの配送品質が悪く顧客満足度の低下が深刻な事態になっている。

ヤマト運輸、佐川急便などの大手運送会社のドライバー品質と比べれば月とすっぽんだろう。

もちろんアマゾンは運送会社ではないので地場の運送会社に配送を委託している。

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アマゾン通販の利便性はドライバーの犠牲の上で成り立っている

アマゾンはDPに対して1時間で平均9個の配送を要求しているという。

もしもこのアベレージを下回るようなことになればDPを入れ替えることもあると言われている。

1時間に9個配達しなければならないということは、単純に6分~7分に1個配達(あくまでも配達完了の数値で不在はカウントされない)しなければならない計算だ。

誰が考えてもこれが厳しい要求であることがわかるはずである。(佐川急便、ヤマト運輸など物流業界で働いているドライバーにとっては1時間に9個の配達完了は差ほど厳しいノルマではないが経験のないドライバーにとっては酷だろう)

もちろん立地によって要求する数字が異なるかとは思うが、一軒家の多い住宅地ではこの数字はかなり厳しいと思われる。(前述の通りです)

ちなみにDPは新規の協力会社には最初の3か月間は車両1台につき1日2万数千円を支払っていたが、その後は1個200円になるようだ。

もちろんこれはあくまでもDPから協力会社への料金であって、ドライバーの配送単価はこれより低いのは言うまでもない。(地域差があります)

アマゾン通販は間違いなくとても便利な存在だ。

その点に関して異論はないが、結局、アマゾンが便利なのはドライバーの犠牲の上に成り立っているのが実情である。

ヤマト運輸がアマゾンから撤退するという話は、ヤマト運輸が大手だからこそニュースにもなった。

しかし、これがアマゾンがどれほどに理不尽な要求をしていたのかも白日の下に晒されることになったのは皮肉なことである。

こうしたアマゾンの動きには他の小売、流通業者も追随しようとする。

消費者はどうしてもアマゾンと比較する。

他の通販サイトと比べてアマゾンにしか出来ないことがある。それは夜中に注文したのに翌日配送出来ることなどだ。

他の小売、流通業者もこれに倣え(ならえ)とばかり努力する。これは配送ドライバーの努力があってこそできることなのだ。

こうした実態に対して、ヤマト運輸や佐川急便といった大手のドライバーであれば対応も可能だ。

何か労働上の問題があれば、余り頼りにはならないにしても労働組合に相談することもできる。

しかし中小、零細や個人となればそうも行かない。

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アマゾンがドライバーの重労働、低賃金を変えられるのか?

守ってくれるべき組織もなければ、「嫌ならば他の業者に依頼するぞ」と言われながら、そうした圧力の中で仕事をこなさなければならない。

ましてや、要求されるレベルを達成出来なければ(ノルマを達成出来なければ)、容赦なく替えられてしまうことになる。

ドライバーのプレッシャーはハンパないものであることは容易に想像できる。

アマゾンに関しては日本だけではなく、世界各国で法人税の問題が挙がっている。

アマゾンは倉庫業を営んでいるのだと主張する。

商売をしているのではなく、倉庫を運営しているだけとのことで法人税の額が信じられないくらい安いという。

だからこそ物を安く販売出来るのだろう。

もちろんアマゾン側にも言い分はあるのだろう。

だが、アマゾンの要求を全て呑んでいれば、ドライバーは重労働の割には低賃金ということになってしまう。

アマゾンの消費者ファーストを貫く姿勢は理解できるが、問題なのはそれが様々な犠牲の上に成り立っている点だろう。

アマゾンの商品を運んでいるドライバーも、仕事を離れれば一消費者になる。

アマゾンの配送の仕事を終え一消費者に戻ったドライバーは果たしてアマゾンを利用しようと思うのだろうか?

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2件のコメント

物流は日本(寧ろ世界)を支える産業なので
興味や教養のために読んでいましたが
どの記事も面白いかったです(他の記事をたくさん読みました)。

通りすがり氏さん

たくさんのコメント本当にありがとうございます! 励みになります!
「物流は日本(寧ろ世界)を支える産業なので
興味や教養のために読んでいましたが
どの記事も面白いかったです(他の記事をたくさん読みました)。」

いえいえ教養だなんて・・・趣味で書いているだけですから・・・面白いと言っていただけると励みになります!

コメント、ありがとうございます!
私が知っている限りの情報をお伝えして、お役に立てればと思っております。
今後ともよろしくお願いします。(仕事から帰ってブログ開いたら、たくさんのコメントがあって何事か?(笑)と思いました。ありがとうございます!コメントには順次返信させていただきますのでこれからもコメントいただけると嬉しいです!)

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