【ヤマト運輸の事故隠蔽、飲酒運転逮捕、代引き手数料着服】懲戒事案をまとめた社外秘資料が流出!【後編】

2回に渡ってお伝えしてきたヤマトの内部資料流出問題。

 

今回で最後となるが、ヤマトでこのような問題が起きたことは、一度でもヤマトで働いたことがある人であれば「よくやった」「気持ちはよく分かる」など、ある意味肯定的に捉えているのではないか。

 

上層部としては「誰が漏らしたんだ!」「どこから漏れたんだ!」と憤慨していることだろう。

 

しかし、このような事態を生んだのは他ならないそんな上層部への不満だ。

 

「上層部」だと認識していなくとも、置かれている立場・環境に対し不満を抱えているヤマトの社員は多いだろう。

 

「質より量」の経営体質

 

なぜヤマトの上層部が社員からの良い感情を持たれていないのか。

 

その問題はヤマトの体質が「質より量」にある点だろう。

 

もちろんこれはヤマトに限らず、古くからの大企業であれば大なり小なりこのような傾向にあるとは思う。

 

そもそも、日本がこれだけ経済大国として成長できたのも、多くの人口による「質より量」な状況だったからこそだ。

 

ヤマト以外でも質より量で舵を取っている企業は珍しくない。

 

だからこそ人口不足・労働者不足が深刻化している現代社会において、ようやく行政レベルで「働き方改革」と称し、効率の良さを求めるようになった。

 

では他の企業よりもヤマトにこのような問題が起きるその理由は何かと言えば、現場は体を張っているにもかかわらず、上層部はそんな現場の苦労を数字だけで判断し、「なぜできんたいんだ」「もっとできるだろう」と嫌味のような数値目標を要求する。

 

人が多い時には「嫌なら他で働いてください」が通用したが、今ではそれが通用しなくなりつつある。

 

さらには誰もが情報発信できる時代だ。

 

SNSツールを用い、「一矢報いたい」と行動に移す人間もいるだろう。

 

不満はある。でも直接言えない

 

しかしだ。

 

では文句があるなら直接言えばよいだろうと思う人もいるかもしれない。

 

直接本社に乗り込めとまでは言わないが、直属の上司に「こうした方が良いんじゃないか」とくらい言えばいいのでは?と思う外部の人もいるだろう。

 

だが、これもヤマトで働いたことがある人であれば誰もがこのように感じるだろう。

 

「言っても無駄だ」と・・・

 

ヤマトには本社だけではなく、主管支店、ベース、営業所、センターなど様々なセクションがある。

 

全国に流通網を敷いているため、関連事業所はとにかく多い。

 

そして、それぞれに現場で働くドライバーや内勤の事務、そしてそのセクションの責任者である主管支店長やベース長、センター長がいるのだが、ここが問題の一つだ。

 

というのも、主管支店長やベース長、センター長は、まさにサラリーマン。

 

そこで良い数字を出せば更なる出世が望めるし、出世を続けていけばいずれは自分自身も「上層部」側に回れることにもなるかもしれない。

 

そのため、考え方が「事なかれ主義」になりやすい。

 

それもそのはず、上が決めたことに対し「それはうちの現場では対応できません」「そんな目標は現場の人間が悲鳴を上げてしまいます」などと意見を言おうものなら、その瞬間、出世の道は閉ざされる。

 

残念ながらヤマトの上層部は、そのような意見に対し「貴重な意見をありがとう」と思うほど懐は深くはない。

 

むしろ「面倒くさい人間」だと認識し、閑職に回すだろう。

 

これから出世をと考えている人間が、本社の人間に目を付けられるようなことをする訳がない。

 

つまり、主管支店長、ベース長、センター長といった多少の立場のある人間は、現場でドライバーなど、体を張って最前線で働いているスタッフと同じ職場ではあるものの、現場の人間の味方ではなく、むしろ上層部側、本社側の味方なのだ。

 

そのため、厳しいと思われるような要求に対し、現場の人間を慮って上層部に盾突くような「〇〇長」などいない。

 

彼らは要求された数字をどのように達成するのか。

 

これが彼らにとって何より大切なことなのだ。

 

何の事情も知らない〇〇長も…

 

ベース長やセンター長は、基本的に現場上がりではない。

 

サラリーマンの組織系統図として、「貴方の次の職場はここです」といった形で回される。

 

優秀な数字を残せるベース長は出世していくし、逆になかなか上層部からの数字を満たせない場合には居座り続けたり、あるいは主管支店、ベース、営業所、センターの順に立場が上になるので、例えばベース長として良い数字を残せなければ営業所やセンター長に回されたりもする。

 

それこそ「○○長」という立場でありながら、そこで何が行われているのかほとんど分かっていない人間もいる。

 

しかし、そんな人間も数字のためにいろいろと努力しなければならない。

 

すると、現場の最前線で体を張るドライバーに大きな負担を強いることとなり、結果、不満が出て…といったことにはなるだろう。

 

結局今回の問題は、ただ単に「資料が流出した」という問題ではなく、ヤマト全体の組織図の問題なのではないか。

 

どれだけ「今後資料が流出しないように」と対策を講じたところで、体質が変わらなければ再びこのような問題が起きるだろう。

 

その点では、まさにヤマト全体が今一度、組織体系そのものを見直す時期にきていrかと思うが、残念ながら上層部からすれば、自分たちの身を削ってまで組織を変えようとは思わないだろう…。

 

つまりは「また起きる」問題なのだ。

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