運送業界の人手不足は深刻な事態です。現在が人手不足問題のピークではなく、さらに状況が悪化しそうなことです。 これには少子高齢化が大きく影響していることは言うまでもありません。
運送業界のみならず、他業界に於いても人手不足の状況は同様です。運送業界は昔に比べて労働環境が改善されていることもあり女性の進出や他業界から運送業へ転職する人も近年増えています。
多くの運送会社が給料や福利厚生など、労働環境の改善に着手しています。 日通が法律の施行よりも1年も前倒しで「同一労働同一賃金制度」を導入したのも、やはり人手不足の改善を考慮してのことでした。
日通の同一労働同一賃金制度導入についてはコチラのサイト様が詳しく照会しています。➔ 日通、非正規社員も同一賃金へ。一方、正社員は年収面で不満も…check
しかし、裏を返せば「運送業界で仕事を探している人」にとって、今の状況は決して悪いとは言えません。
そこで、運送業界の平均年収をチェックしてみました。 この数字を見れば、転職先として何処が魅力的な企業なのか?が見えてくるのではないでしょうか?(2019年現在の統計です)
1位:ヤマトホールディングス株式会社
平均年収866万円と、さすがに運送業界最大手企業の数字です。
ヤマト運輸としても「ヤマトホールディングス」の看板に泥を塗るようなことを避けなければなりません。従業員の労働環境が悪ければ、ヤマト運輸の悪評が立つことになります。
その点を恐れているため、近年は労働環境の改善に力を入れています。
また、大手企業とあって福利厚生が充実している点も特徴です。
ドライバーの場合、家族手当や住宅手当など給与所得以外の手当が充実しているため、総支給額は平均年収が示すように高めで推移しています。
ヤマト運輸には様々な部門があるのでドライバーとして入社しても、後に他部署への異動も可能です。ドライバー以外のキャリアを積みたいと思う人にはその道も拓けています。
2位:株式会社日立物流
平均年収773万円と、こちらも高い水準を誇る物流会社です。
残業が多いため、平均年収以上稼いでいる社員の多い会社です。
また、近い将来、日立物流は佐川急便を傘下に持つSGホールディングスとの経営統合が囁かれていますので物流企業の転職先として人気があります。
日立物流は企業の物流を一括で請け負うサービスに長けていて佐川急便は全国に宅配便を届ける配送網を構築しています。
社員は違った物流を学べる環境で働くことが出来ますので安定した収入を稼ぎながらキャリアアップしていくことも可能です。
3位:株式会社近鉄エクスプレス
平均年収734万円で業界3位の会社です。
名前からは近鉄グループと思われがちですが、現在は独立した運送会社です。
近鉄エクスプレスは近鉄グループの国際貨物部門として設立されたのですが、皮肉にもグループを離脱してから飛躍的に伸びた会社です。
国際海上貨物輸送、貨物輸送、さらにはロジスティクス部門など、グローバルに展開している企業です。
コンテナを運ぶことが多いのでけん引免許があれば有利です。
タイ、インド、中国といった経済成長が著しい地域への輸出に携わっていることから、安定性と成長性の両方を備えた企業です。
4位:郵船ロジスティクス株式会社
平均年収709万円の物流総合サービス企業で、グローバルな展開が目立つ会社です。
総合物流とあって様々な分野の仕事がある点も魅力の一つです。 倉庫内作業であればフォークリフトの免許を取得しておくと有利です。
売上高は日本通運、近鉄エクスプレス、山九に次ぐ国内4位の会社です。
5位:SBSホールディングス株式会社
配送から倉庫業、物流センターなど総合物流企業として全国展開している企業です。
1987年設立と、他の物流企業と比べると比較的新しい会社ではありますが、従業員の平均年収は679万円と高水準です。
総合物流企業とあって、ドライバーやオペレーターなど人材を広く募集しています。 大型免許やフォークリフトの資格があれば転職に有利です。
物流企業、運送業への転職を考えているなら
物流企業で平均年収の高い企業は何処なのか?をランキング形式で紹介させていただきました。
もちろんあくまでも「平均」ではあるものの紹介している企業は高年収です。
確かにドライバーやフォークリフトオペレーターの仕事だけでは平均年収を上回る高年収を獲得することは難しいかもしれませんが、スキルアップすることによって職場での存在価値を高めて高年収を獲得することも可能です。
紹介している企業は賃金もさることながら、福利厚生等の職場環境も整備されています。
大手物流企業は有給休暇の取得率、残業の有無など、近年の労働者が求める職場環境を勘案してどうすれば「働いてくれる人が集まるのか?」を真剣に考えている企業の代表と言えます。
転職の際の指標はどうしても金額面になってしまいがちですが、転職で失敗しないために福利厚生は充実しているのか?職場環境は良いのか?も事前に情報を取り入れて転職活動をすることが重要です。
労働者が企業から選ばれるのではなく企業を選ぶ時代になった現在、「自分の理想」をしっかりと見据えた上で転職先の検証を行いましょう。
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