【企業のセキュリティ対策が問われる時代】クレジットカードの不正利用は何故?起こるのか

PayPay株式会社はソフトバンクとヤフーが共同出資して設立した会社です。

同社はQRコード・バーコード決済サービスPayPayを2018年10月15日から開始しました。

店舗に設置されたQRコードをスマートフォンのカメラで読み取って金額を入力する方法。

スマートフォンに表示されるバーコードを店員に見せて読み取って支払う方法。この2通りの支払い方法があります。

「100億円あげちゃうキャンペーン」と銘打ち、12月4日から行われていた新規スマートフォン決済サービス、PayPayは12月13日をもって還元額が100億円に到達したとのことで無事に終了しました。

サービスを提供するソフトバンクとヤフーとしては100億円は広告費であると共に、乱立するスマートフォン決済にて主導権を握りたいとの思惑があったのでしょう。

購入金額の20%還元、さらには数十人に一人は全額キャッシュバックとあってPayPayを利用できるお店では連日多くの人で賑わいました。

しかし、キャンペーンが終了するとそこから色々と「きな臭い話」も聞こえてきます。

2019年2月13日にキャンペーンが終了して以降、まるで堰を切ったかのように(せきをきったかのように)色々な問題が取り沙汰されています。その中でもより深刻なのがクレジットカード不正利用問題です。

PayPay登録者から「PayPayに登録したクレジットカードが不正利用されている」といった声が続出したのです。

この問題の背景にあるのはPayPayのセキュリティの甘さです。

スマートフォンに搭載されている指紋認証や顔認証システムは、個人情報の不正利用を防ぐための技術です。

しかし、PayPayではクレジットカードを登録する際に暗証番号の打ち間違いにロックが掛かっていなかったらしいのです。

例えばクレジットカードで買物をするときに、暗証番号を3回打ち間違えるとロックが掛かり無効になってしまいます。

しかし、PayPayではこのロック機能が備わっていなかったために、何度でも暗証番号を打ち込むことができたそうです。

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なりふり構わない普及促進策

ロックが掛からない問題は技術的な欠陥と言わざるを得ません。ソフトバンクとヤフーがなりふり構わずにPayPayを普及させようとしたことに起因しています。

100億円という数字ばかりに注目されがちであり、技術的な問題がサービス開始までに解決されていなかったとしか言いようがありません。

100億円還元を謳い(うたい)、バラまきをして利益よりもとにかく自社のサービスの普及を目指したキャンペーンと言えます。この姿勢は、2000年代前半に行われていたある手法を彷彿(ほうふつ)とさせるものです。

それはADSLです。

あの時もヤフーがルーターを無料で配布することで、自社のADSLサービスの利用者獲得の囲い込みを行おうとしました。

その結果、ADSLそのものが普及したのも事実です。

スマートフォン決済はまだまだ若い層やビジネスマン層といった一部にしか普及していません。

今回のPayPayキャンペーンがより広い層まで普及するための起爆剤になる可能性も十分ありました。

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既に過去の遺物になりつつある?

PayPayは20%還元が無くなれば通常のキャッシュレスサービスの1つでしかありません。

そのため、もはや「もう使っていない」との声さえ聞かれます。

現代の消費者はネットで徹底的に情報を収集し、得になる方法をいち早く見つけて利用します。一方で得にならない方法をいつまでも惰性(だせい)で利用するようなことはしません。

ADSLであれば解約するのが面倒でしたが、PayPayは使わなければそれまでです。

100億円還元中であれば多少面倒でも「20%戻ってくるから」と利用していました。

しかしキャッシュバックが無くなれば「面倒くさい」、「クレジットカードの問題もある」など、デメリット面がクローズアップされ、そっぽを向かれることになってしまいました。

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付け焼刃と子供だましは通用しない時代

最近はADSLが普及した頃とは異なり、誰もがネットに手軽にアクセスして情報を収集することができる時代になりました。

自分にとって良いものなのか?悪いものなのか?世間の流れではなく、自分で調べて判断することができます。

従ってPayPayに限らず、どの産業においても子供だましのサービスはすぐに露呈してしまいます。

これはサービスだけではなく、クレーム対応等でも同様のことが言えます。

ヤマト運輸や佐川急便のような大手物流会社にはクレームが毎日のように届きます。

その際、「とりあえず謝っておけば良い」という姿勢では、今後は「あの会社は謝ってはいるが何もせずいい加減だ」との評判が生まれてしまいます。

お客様からのクレーム対応は真摯に耳を傾けて改善すべき点は表面処理ではなく、根本的な部分を解決しなければ誰もが納得しない時代です。

30年前のADSLが普及した時代とはお客様が企業に要求するレベルは格段に上がっているし、企業はより繊細な対応が求められます。

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