今回の話は、旅行会社に勤務していた私の知り合いに記事の執筆依頼をしました。
クレーム記事というよりのろけ話のようですが…
かる~い気持ちで読んで下さいね。
海外旅行の添乗員をしていた時のクレームをお話しします。
何十回も海外旅行の添乗員をしていると、数えきれないほどの失敗がありました。
ここでは、その失敗談をご照会致します。
旅行会社の添乗員はツアー参加者の女性からモテる
この話はちょっと「色っぽい」のですが、こうしたクレームを受けること自体が添乗員としては失格と言えるのです。
突然ではありますが、添乗員、特に海外添乗員は女性からモテます。
添乗員が女性にモテるための「三大要素」というのがあります。
その第一は「頼りがいがある」、第二は「ユーモアがある、面白い」そして第三は「優しい」です。
こうした要素の中には、男にとって有難いことに、容姿やお金のことは含まれていません。
旅行会社の添乗員は、誰もが基本的にはこれらの三大要素を持っている、あるいは発揮しなければならない職業です。
ツアーの参加者にてきぱきと説明したり、バスのドライバーやガイドに指示をしたりする姿は、女性にとっては「頼りがいがある」頼もしい存在に見えます。
特に言葉の分からない外国では添乗員の存在は際立っています。
そして、時々面白い事を言ってツアー参加者を笑わせたり和ませたりします。
これも添乗員の職務の一つです。
もちろん、特定の人に偏ることなく、全てのツアー参加者全員に対して「優しく」接します。
どんな質問にも真摯に答えます。
夜中にたたき起こされても決して怒ったりはしません。
ましてや、初めて海外旅行をする女性の場合、気分も高揚し、頼りがいがあり、ユーモアがあり、そして優しい男性は「最高のパートナー」に思えてくるのでしょう。
ツアー参加者の女性の祖父がクレーム
イタリアのローマに滞在した時の話です。
ホテルのレストランでの夕食も終わり、部屋に戻って明日の行程の確認作業をしていました。
部屋のドアがノックされたので、ドアを開けてみるとそこには、ツアー参加者の中でもひと際目立つ絶世の美女E子さんが立っていました。
ツアー参加者が、男女に拘わらず(かかわらず)、添乗員の部屋を訪ねて来ることは時々あります。
しかし、E子さんはそのとき、かなり深刻そうな顔をしていました。
部屋の中で異性と二人きりになるときは、部屋のドアを開けておくのが礼儀です。
このときも当然部屋のドアを開けたままで、「どうしましたか?」と優しく尋ねました。
E子さんは、もぞもぞしていてなかなか要件を切り出しませんでした。
突然、E子さんは、「Nさん(私)のことが好きです」と、言いました。
びっくりしましたが、こういうことは初めてではないので、深呼吸をしながら、こう言いました。
「あなたのような素敵な方から好きだと言われ、とてもうれしく、光栄です。でも、今日はこのまま部屋にお帰りください。ツアー中は気分も高揚しているので一時的にそう思うだけかも知れません」
こう言われたE子さんは、それでも納得していない様子だったので、私は続けて言いました。
「あなたの気持ちはよく分かりました。では、こうしましょう。ツアーも後3日間だけです。日本に帰ってからもあなたの気持ちが変わらなかったら、それから考えましょう」
「えっ?そんな事を言って大丈夫なの?」と、思われる人も多いでしょう。
長年の添乗員の経験から
女性、特に若い女性は、海外ツアーで添乗員に対し憧れのような気持ちを抱くことが多いです。
しかし、日本に帰国したら添乗員は、現地での三大要素はすっかり失われてしまい、「普通の男」になっています。
その証拠に、E子さんは帰国後何の連絡も無く、半年後に別の男の人と結婚したそうです。
E子さんが部屋に訪ねてきた翌日のことです。
E子さんは祖父と一緒にヨーロッパツアーに参加していました。
たまたまホテルのトイレでE子さんの祖父と一緒になりました。
挨拶をすると彼は、ボソッと言いました。
「余り私の孫娘に構わんでください。あなたの事で悩んでいるようで私としても困っているんです」
私は丁寧にお詫びを申し上げ、本日以降十分注意をするよう伝えました。
旅行会社の添乗員としての失敗は「差別扱い」をすること
この件は、祖父にお詫びをした時点で解決したのですが、ここに至るまでの間に、添乗員としては基本的な失敗をしています。
旅行会社の添乗員も男です。
美しい異性には自然に目が向き、特に優しくしてしまいがちです。
この旅行ではE子さんの祖父からのクレームだけで済みましたが、他の参加者との「差別扱い」という問題が残りました。
自分では無意識のうちにE子さんを特別扱いしていました。
添乗員はいかなる理由があろうとも、ツアー参加者全員に対し、平等でなければなりません。
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