私が佐川急便の管理職(係長)をしていた頃もひどいクレームの毎日でした。
悪質なクレーマーは電話でクレームをする
悪質なクレーマーからの電話には一定のパターンがあります。
・ 始業、終業時間に関係なく、早朝や夜間に電話をする。
・ 一日に何度でもしつこく電話をする。
・ なかなか電話を切らない。
・ 大声を出す。
・ 決まり文句「上司を出せ」と言う、などです。
私が経験したひどいクレームは、電話で3回に分けて5時間ひたすら文句を言われました。(2時間、1時間、2時間、最後、訪問してやっっと解放)
携帯電話(当時はまだスマフォが一般的に普及する前)の受話器部分が汗でベトベトになるくらい汗を流しっぱなしでクレームを浴びた事を覚えています。
3回とも電話が終わった後は、頭がグルグル回っているような感じでした。
悪質なクレームも様々なタイプがある
ここからは、実際にあったクレーム例と企業のクレーム対応の問題点をご照会致します。参考までにお読みください。
前回記事はコチラ➔ 【土下座しろ!管理職が理不尽なクレームに対応する方法】「サービス向上のためにお客様との会話を録音させていただきます」check
悪質なクレームにも様々あります。
例えば、
・ 単純に問題を解決しようとしているが、そのやり方が執拗である。
・ 相手を困らせようとしている。
・ 暇つぶし。
・ 単に誰かに怒りをぶつけたい。
・ 一方的に謝罪を求めている。
これらは悪質な中でも「まし」な方と言ってもいいでしょう。
かなり悪質になると、
・ 金品を要求する。
・ 大声で怒鳴ったり威嚇したりする。
・ 会社に火を付けるなどといって脅す。
こうなると犯罪に問われる可能性もあります。
こういうかなり悪質なケースについては、警察に相談すべきです。
しかし、クレームが生じる度にいちいち警察に相談する訳にもいきません。
そこで、今回は、悪質なクレームのなかでも「まし」ではあるが、上手く処理が出来そうな例をご照会します。
クレームその1 「オタクで買った〇〇、使い方が全然分からないぞ。不親切だ。何とかしろ!」
使い方が分からないといってクレームされても困ってしまいます。
しかし、お客様は多分高齢者で「取扱説明書」を見ていないのか、それとも見ても分からなのかのどちらかでしょう。
この場合は、ちょっと苛つきますがやさしく教えてあげてください。
これはクレームというよりも自分の会社の商品説明だと思って接しましょう。
クレームその2 「保証対象外とはどういうことだ。お前の会社の商品が壊れたんだから無料で修理するのが当たり前だろう」
これは典型的な「いちゃもん」です。
こういう人は、保証書も保管していないでしょうから、保証期間がいつまでなのか?も知らないでしょう。
第一に保証書がなければ、いつどこで買った物なのか、果たして保証そのものが付いていたのかも分からないでしょう。
いずれの場合も、事情をよく説明して分かっていただくしかありません。
もし、「訴えるぞ」などと言われても、その訴えが通ることはあり得ませんから、無償の修理ができないことを一貫してじっくり説明することです。
クレームその3 「オタクの商品を希望通りに使えなかったんだから、金を返せ」
購入した商品がどんな物で、「希望通りに使えない」とはどういう意味なのか訊きだすことが先決です。
ここで、安易に「分かりました。返金させていただきます」などとは絶対に言ってはいけません。
自分で判断出来ないのであれば、上司に相談のうえ、結論を伝えましょう。
事情が分かり、お客様の言い分が全面的に正しい場合でも、「上司に相談のうえ本日中にご連絡さしあげます」と伝えます。
出来る限り早急に結論を出してお客様に連絡をすることが必要です。
クレームその4 「何で在庫が無いんだ! 売る気があるのか!?」
商品が予想外に売れすぎて「在庫切れ」になることはよくあることです。
「予想以上に注文が多く、製造が追いついておりません。ご迷惑をお掛けして大変申し訳ありません」とひとまずお詫びするしかありません。
在庫切れになった商品が市場に出回るまで待つのが普通ですが、この人は自社製品の「熱狂的なファン」かも知れません。
丁重にお詫びするとともに、在庫が回復する予定時期、商品が揃い次第一番で商品をお渡しするというお約束をすれば、この問題は解決するはずです。
クレームその5 「お前の会社を訴えてやるぞ!覚悟しておけ」
どこかのテレビ局のタイトルではないですが「訴えてやる」というのが口癖になっている人もいます。
もちろん、相手のクレームの内容が全面的に正しい場合には、商品の交換、返金などの手続きが必要です。
そうではなく、こちらには一切非が無く、単に嫌がらせで言っている場合には、毅然とした態度が必要です。
しかし、「訴えたければ勝手にどうぞ」などと相手を焚きつけるような言動は避けるべきです。
この手のクレーマーは実際に訴えることはないし、第一に弁護士が受け付けてくれません。
クレーム対応はストレスが溜まっている中間管理職任せになっている
今回はカスタマーハラスメント(カスハラ)の実際の例を挙げ、その対処法をご紹介しました。
カスハラは枚挙の暇がない(数えきれないほど多く)ほど世の中に転がっています。
そして、企業は現場の中間管理職にクレームを丸投げしているのではないか?と啓発している記事です。
参考までに➔ 増える「カスハラ」 現場任せにしていないかcheck
いつあなたもこうしたクレームを受けないとも限りません。
色んなケースを検証し、自分の身にいつ降りかかってきてもいいような準備をしておきましょう。
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