2018年は副業元年と言われています。その背景には事実上副業を解禁する企業が増えていることにあります。
また、副業そのもののあり方にも変化が見られます。 かつて副業といえばお小遣いを稼ぐためのものでした。
・ あと数万円自由に使えるお金があれば・・・
・ 会社が終わった後、暇を持て余しているくらいであれば時間をお金にしたい
等々、あくまでもお金ありきでした。
しかし、近年は「複業」という言葉が登場したように、お金目的だけではなく、キャリアアップや人脈の拡大など、様々な目的で本業以外の仕事をこなしている人が増えています。
Yahoo、LINE、ソニーや佐川急便など、有名な大企業でさえ副業を解禁しているのは、単純に残業する代わりに副業してくださいという意味ではなく副業を複業として捉え、複業で得た経験を本業にフィードバックしてもらいたいとの思いがあるからです。
最近はネット環境さえあれば気軽に副業が出来る時代になり、副業そのもののイメージも変わりつつあります。かつては副業と言えばあまり良いイメージではありませんでした。
・ お金に困っているから副業をしている
・ 借金でもあるんじゃないか?
など、ネガティブなイメージを持たれていました。
ドラマや映画でもそのような描写が多く、女性が夜に水商売をするという話が代表のように扱われていました。
運送業経験者がIT企業に転職する時代が来る
しかし、副業が身近で手軽になるにつれ、特に若年層では副業に対してのイメージが変わりつつあります。
その一方で、バブル世代以前の人達には依然として副業に対してのネガティブなイメージが根強く残っていると思われます。
時代背景の違いと言われればそれまでですが、今の若い世代とバブル世代とでは金銭感覚を含め、価値観が大きく異なるだけに、副業に対しての捉え方も異なるのでしょう。
長らくの間、我が国では「就職がゴール」という風潮がありました。
どこに就職するかによって人生そのものが決まるため、少しでも良い会社にとの思いがあったものです。しかし事実上終身雇用制が崩壊した現在、転職が当たり前の時代になりました。
今後は、ただ単に「これまで何をしてきたのか?」ではなく、「どのようなスキルを持っているのか?」が問われる時代が到来しました。
良い会社に勤務していたから転職が有利になるのではなく、職場でスキルを活かしてどのようなキャリアを積んできたのか?が求められています。
複業で本業とは全く違うジャンルにチャレンジして成功し、それまでのキャリアからは想像できないジャンルに転職する人も多く見られます。
より一層「個」が求められる時代になってきたのです。
かつてであれば、同じ会社に所属していれば得られるキャリアは同じものでした。
しかし、今後は例え同じ会社に勤務していたとしても、副業、複業によって全く異なるキャリアが形成される可能性があります。
まさに「個」が求められる時代となります。
例えば、ヤマト運輸や佐川急便に就職した場合、その後の転職先はどうしても運送業界に絞られていました。
ところが、これからは複業で違うジャンルのキャリアを得て物流の知識を活かして、ヤマト運輸や佐川急便からAmazonやSony、Googleなど全く異なるジャンルへの転職が可能になるでしょう。
平成から令和になり運送業界も新たな時代の幕開け
一方で、バブル世代よりも上の世代は副業解禁に対してあまり良い感情を持っていません。
その背景にあるのは、ジェネレーションギャップです。
いつの時代も「今の時代の若者は」と揶揄するのが年配者です。
これは今の時代に始まった話ではありませんが、近年はこうしたジェネレーションギャップにこれまでとは違う意味合いが含まれています。
それはインターネットです。
バブル世代やその下の就職氷河期世代は、インターネットは社会人になってから覚えたものです。
そのため、インターネットが当たり前の世代とは様々な点で隔たりがあるのも事実です。
バブル世代やその下の就職氷河期世代は「上に言われたからやる」が当たり前でしたが、デジタルネイティブ(学生時代からインターネットやパソコンを日常生活で使っている世代)にとっては、物事をネットで調べるのが当たり前でネットには間違った情報も数多くあります。
しかし、ネットを駆使することによって簡単に物事を調べることが出来るようになりました。
世代間で副業、複業への考えは隔たりがありますが、大手企業が副業、複業を推奨するようになっている時代の流れは今後の主流になると思われます。
キャリア形成の一環として副業や複業が注目される時代です。悪い言い方をすれば自分の身は自分で守れという時代になったとも言えます。
成果報酬が当たり前だった宅配業務を時給に変えて「自由な時間設定で空いた時間に副業が出来る」をうたい文句にしているアマゾンフレックス➔ 今日から、Amazon Flexで 配達業務をはじめましょうcheck もこういう時代の産物なのかもしれません。
平成から令和になり運送業を営んでいないアマゾンがドライバー経験のある個人事業主と業務委託で直接契約をして自社配送を構築しようとする動きも業界を超えた他業種の人材を確保しようとする動きも後に振り返れば、新たな時代の幕開けだったと言われるかもしれない。(2019年7月26日改訂)
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