【職場のハラスメント(harassment)定義を再確認】日本最初の「福岡出版社セクハラ事件」

ハラスメントとは「人を困らせること、嫌がらせ」のことです。この典型は、「セクシャル・ハラスメント(セクハラ)」そしてもう1つが「パワー・ハラスメント(パワハラ)」です。その他にもハラスメントには40種類以上もあるのです。

 

今回から数回に亘りこのハラスメントに焦点を当ててご紹介します。

 

セクハラの起源

 

【セクハラ】とは日本語で「性的嫌がらせ」という意味で使われます。その発祥はアメリカで、1970年代の初めに、女性雑誌『Ms』の編集主幹であったグロリア・スタイネムらが作り出した造語であるとされます。

 

日本においては、1986年(昭和61年)の「西船橋ホーム転落事件」がきっかけでした。

 

西船橋駅のホームで酔っ払いに絡まれそうになった女性が、それを避けようとして押し飛ばしたところ、酔っ払いの男性がホームに転落し電車に轢かれて死亡するという事件がありました。

 

その際に加害者である女性を支援する団体が「セクハラ」という言葉を使い始めたのが最初と言われています。

 

日本における最初の「セクハラ事件」

 

日本における最初のセクハラ事件は、1989年(昭和64年)に福岡県における民事裁判「福岡出版社セクハラ事件」でした。

 

福岡県の出版社に勤務していた晴野(はるの)まゆみさんが当時の上司を相手取り「セクハラ」を理由とした日本初の裁判を起こしました。職場を舞台とした上司と部下の間で起きた事件ということで世間の注目を浴びました。

原告の晴野(はるの)まゆみさんに関する記事はコチラ➔ 上司からのセクハラ被害と裁判闘争を振り返ってcheck

 

これまでに日本の職場では意識されずに見逃されてきた女性に対する行為が、「セクハラ」になるのかということで身近な話題にもなりました。

 

本事件は、1992年(平成年)に原告の全面勝訴で幕を閉じました。

 

そして、「セクハラ」という言葉が、1989年の新語・流行語大賞の新語部門で見事「金賞」を受賞したのです。

 

「パワハラ」の起源

 

【パワハラ】とは、2001年(平成13年)に東京のコンサルティング会社である「クオレ・シー・キューブ」の代表取締役岡田康子氏とそのスタッフが創った和製英語と言われています。

 

岡田氏らは、職場には「セクハラ」以外にも様々なハラスメントが存在すると考えました。2001年から2003年にかけて一般労働者の調査を実施しました。

 

その結果、「パワー・ハラスメント」とは、『職場などのパワーを背景にして、本来業務の適正な範囲を超えて、継続的に人格や尊厳を侵害する言動を行い、就労者の働く環境を悪化させ、あるいは、雇用不安を与える行為』と初めて定義付けたものです。

 

ハラスメントのタイプ

 

ハラスメント即ち「嫌がらせ」は大別すると2つのタイプに分類されます。その1つが「対価型」と「環境型」です。

 

対価型ハラスメント

 

職場や学校などにおいて、立場・同調圧力・階級の上下関係や自身の権限を利用し、下位にある者に対して性的な言動を行う(強要)すること(「パワハラ」等)。

 

【同調圧力】とは、意思決定を行う際に、少数意見を有する者に対して、暗黙のうちに多数意見に同調することを強要することです。

 

1.  酒席:異性に酌を強要する

 

2.  学校:教師としての立場を利用して、教師が学生に猥褻(わいせつ)行為・性行為などを強要する

 

3.  就職活動:求人側の担当者が、求職者に対して性行為などを強要する

 

4.  職場:職務上の地位を利用して、上司が部下に、猥褻行為・性行為などを強要する

 

5.  商取引:利害関係を利用して、買い手側の関係者に猥褻行為・性行為などを強要する

 

環境型ハラスメント

 

性的な嫌がらせ=セクハラ等

 

1.  女性従業員による、女子トイレや休憩室における、男性の容姿や恋人関係などの噂話

 

2.  男性従業員による、男子トイレや休憩室における、女性の容姿や恋人関係などの噂話

 

3.  職場や学校、商業施設などで、ヌードカレンダー、水着ポスター、ポルノ雑誌など人によっては不快感を催すものの掲載や陳列、性的な冗談、身体などについての会話

 

・ 男女を問わず、恋愛経験や貞操などについて執拗に尋ねる

・ バストなどのサイズについて尋ねる

・ 男女を問わず、猥談などへの参加を強要したり、勧めたりする

 

4.  性的なネタへの強制参加

 

・ 男性を風俗店などに無理矢理誘う

・ 慰安旅行での旅館・ホテルにおいて、女性への浴衣の着用の強制、酌の強要

・ 性的魅力をアピールするような服装や振る舞いを強要する

・ 女性上司から男性部下への誘い

・ 男性への裸踊りの強要

 

5.  結婚ネタ

 

・ 女性に対して結婚・出産等について尋ねる

・ 男性に対して結婚のことを尋ねる

 

6. 職場における男性・女性ランキングの作成・公開

 

7.  いわゆる「(性別)~のくせに」という

 

・ 女性に対して「女のくせに生意気だ」と言う

・ 男性に対して「男のくせに意気地がない」と言う

 

上記のように、ハラスメントとは、男性が女性に対する言動だけではなく、男性が男性に、女性が男性に、女性が女性に対するものすべてが対象になるのです。

 

あなたの普段の言動が何らかの「ハラスメント」になっているかも知れません。

 

次回は、セクハラ・パワハラなどハラスメントの具体例を解説します。

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