今回の記事は、ヤマト運輸でクレーム対応をしていた知り合いの元社員に記事の作成依頼をしました。
様々なクレームが寄せられる運送会社。
ヤマト運輸は大きな会社であることから、クレームは毎日のように寄せられていました。
内容はいつもお伝えしているようにまさに「ピンキリ」ですが、クレームの中身ではなく、「どんな人が」クレームを寄せてくるかといいえば高齢者からのクレームがダントツに多いのが現状です。
高齢者と言っても様々ですが、比較的アクティブな高齢者か、あるいは主婦が多いです。(専業主婦など(子育てしている主婦は子育てに精一杯なのでクレームは少ないです)一日の時間に余裕が人がクレームを入れることが多いです。)
この両者からのクレームが圧倒的に多いです。
もちろんこれらに当てはまる方々全てがというつもりはありませんが、少々年齢が上の主婦、そして高齢者です。
寄せられるクレームはこの両者によって大半を占めているといっても過言ではありません。
高齢者からのクレームが多い理由
高齢者からのクレームが多い理由として、一つに「寂しさ」があると言われています。
外で働かなくなった高齢者で、特に単身となった場合、他人という存在そのものが貴重なものになります。
街中で高齢者が開店前に並んでいる健康食品店が良い例です。
面白い記事を見つけましたので参考までに➔ 老人たちに忍び寄る詐欺。怪しい“健康食品”のお店で何が行われているのか?check
そのためクレームというよりも「人に構ってもらいたい」との意識があるのでしょう。
この世代のクレームは業務を改善してもらいたいとか、嫌なことをされたというよりも、クレームになるようなことをきっかけに「話し相手になってもらいたい」との意識が根底にありますので、高齢者からのクレームの場合、反論をしてはなりません。
反論すると、「話し相手希望者」から、本当の意味での「クレーマー」になってしまいます。
「申し訳ありませんでした」という姿勢を見せながら、相手の気の済むまで話を聞いていれば、いずれは気が済んで問題は解決します。
時間は消費しますが、決して大問題に発展するようなことはありません。
しかし、主婦からのクレームは厄介です。
もちろん主婦も様々ですが、高飛車な主婦のクレーマーの場合、謝るだけでは話が進まないケースもあります。
「で、これからどうしてくれるの?」
と、組織の改善を迫ってくるような主婦もいれば、理路整然とおかしい部分を突いてくる主婦もいます。
また、スマートフォンを使いこなしている主婦も多いため、いつクレームが寄せられるか分からない恐怖心もありました。
それこそ「目の前に止まっているトラックをどかせ」といったものもあります。
高齢者や主婦からのクレームが多い理由とは?
高齢者や主婦からのクレームが多いのは、単純に時間に余裕があるからだと考えられています。
昼間や夕方に在宅している可能性が高いため、運送会社の粗相が視界に入りやすいのでしょう。
また、主婦の場合は在宅ではないとしても買い物に出ている時や子供の送迎など、仕事ではないシチュエーションであれば、嫌なことに遭遇したらその場でスマートフォンで運送会社のホームページにアクセスすることも簡単です。
電話番号を調べてすぐにクレームをすることも可能なだけに、昼間働いているサラリーマンや学校に通っている学生よりもクレームが多いと感じるのもある意味では当然です。
主婦や高齢者からのクレームの共通点とは?
主婦や高齢者からのクレームには共通点があります。
それは、どちらかというと理屈ではなく感情的なクレームが多い点です。
「どのように改善すれば良いのか?」「では今後どうすべきなのか?」といった建設的な提案を受け入れず、ただただ「腹立った」「どうしてくれるんだ」といった、いわば「話の着地点が見えないクレーム」が多いのが特徴です。
このようなクレームに関しては、言い返したところで火に油を注ぐだけでしかありませんので、気の済むまで話を聞くしかありません。
まるで自分がサンドバッグになったかのように、何を言われてもしっかり相槌を打ち、「申し訳ございませんでした」と謝罪を繰り返します。
これで気を納めてもらうしかありません。
時間はかかりますが、いわば「運送会社が気の済むまで謝罪してくれる」が、話の落としどころになっていますので、あれこれ言い返したところで意味はありません。
ヤマト運輸の現場ではクレームの一元化を望んでいる
お客様からクレームを受けてしまうのは致し方ないことです。
時には本当にお客様に対して申し訳ないと思うことや、会社として重大なミスをしてしまうこともあります。
そのような場合、クレームを受けるのも当然ではありますが、一方で現場レベルとすれば、クレームを一元化してもらいたいとの思いがあります。
クレームを受けてしまうとクレーム対応に人員を割かれ、現場はさらに人手不足に陥り、サービスの質が低下して新たなクレームを受ける、という悪循環に陥ります。
この問題を解決するためには、営業所やベースといった細かい単位ではなく、会社全体で「ご相談窓口」を作りクレーム専門の対応部署を作ってもらいたい、というのが本音です。
ヤマト運輸の場合、「ご相談窓口」のようなものはありますが、電話番号がクレームを入れるお客様に認知されていないこととヤマト運輸は「クレームは現場で対応しろ」という姿勢が色濃いのが現状です。
運送会社が他の業種の企業に比べて前時代的だと思われるのは、こういうところにもあると思います。
管理人から一言
私が在籍していた頃の佐川急便も「ご相談窓口」はありましたが、クレームが入ると「ご相談窓口」の担当者から電話が営業所に入って「今回のクレームは営業所で対応してください」ということが殆どの何も役に立たない部署でした。
何処の運送会社でも同じようなことが起きているんですね。。だから運送会社は前時代的だと言われても致し方ないでしょう。
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